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フラメンコ音楽論13~カーニャ(Caña,La Caña)

今まで、ソレア及びソレア・ポル・ブレリア
アレグリアスを含むカンティーニャス系、そしてブレリアと
代表的な12拍子形式をやってきました。

今までやってきた形式は
いろいろなものの影響はあるにしろ
フラメンコのオリジナルなものです。

これ以外にも12拍子で演奏される形式はあるんですが
その多くは土着の民謡などがフラメンコ化したものです。
今回はそうした民謡系12拍子形式の一つであるカーニャをご紹介します。

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カーニャ形式概要

単数形~Caña,La Caña

カーニャは複数形は使わないですね。
定冠詞をつけて、ラ・カーニャとも呼ばれます。
ラメントといわれるリフレインが最大の特徴です。

カーニャの起源は古く、
もともとはロンダからマラガあたりの民謡だったのが
フラメンコに取り込まれて
ソレアやファンダンゴのコンパスで歌われるようになったようです。

ギターのフレージングはソレアと共通部分が多いですが
カーニャのような民謡系の12拍子派生形式は
民謡のメロディーをカンテ化したものに
ソレアやブレリアの伴奏パターンを後付けする形で
演奏されるようになったものと考えられます。

カーニャは19世紀中に最盛期を迎えた後に一旦下火になります。
そのあと、コンクールを中心に再び歌われるようになり
カルメン・アマジャが踊りのレパートリーとして確立して以降は
踊り曲としてメジャーな形式に返り咲いています。

カーニャのキー

キーはポルアリーバで
カポの位置はソレアと同じくらいです。

女性6~7カポ(実音Bb~Bスパニッシュ)
男性3~4カポ(実音G~G#スパニッシュ)

カーニャのコンパス

コンパスは速めのソレア~ソレポルくらいで演奏されることが多く
リズムパターンはソレア・ソレポルと同様です。

ラメント部分だけテンポを落としたりしますが
ラメントについては後述します。

カーニャの伴奏パターン

カーニャのギター伴奏はソレアのパターンも使われますが
カーニャ独自の慣用句がいくつかあります。

・ラメントをアレンジしたレマーテ
E F G F E‥というアレです。

・Eコードでミ ファ ミ ファからはじまる
ラメント早回しからのエスコビージャ伴奏用パターン

カーニャとポロ(後述)のラインがミックスされています。

・平行調のCメジャーに寄せたCとG7の2コードのエスコビージャ伴奏パターン
最後はE7に落としますが
それ以外はカラコレスと共通だったりします。
ポロのラインがベースになっています。

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カーニャの歌

カーニャの歌の基本展開は数種類しかないですが
細かいサイズはかなり変化します。
メディオコンパスもよく出てきます。

踊りの後歌のブレリアはCメジャーから入るものも多いんですが
カーニャはソレアに比べると全体にCメジャーキーに寄っています。
ずっとCメジャーで回って最後だけF→Eみたいなパターンが多いです。

ラメントについて

カーニャの最大の特徴であるラメントですが、
E→F→G→F→Eの音程で演奏されるリフレイン部分です。
ソレアでいう1拍目から入って
6拍でひとかたまり。
繰返し回数は踊り手と歌い手が
やりたい長さになるので
6拍単位で伸び縮みします。

ラメント部分はテンポを落としたり
自由リズムになったりします。
もちろん、ソレポルのテンポのまま演奏することもあります。

ポロについて

カーニャに類似した『ポロ』という歌があります。
ポロは独立した形式の歌ですが
カーニャとポロはセットで演奏されることが多いです。
ラメント後半にポロのセクションがついた場合
ラメントがひきのばされてロングバージョンになる感じです。

カーニャの歌のコード進行~最初Amに行くタイプ

最も一般的なものです
1小節3拍で1段が1コンパス
ソレアと同じく1拍目を頭にして書きます
コンテスタシオンは無い場合もあります

(歌本体)
|E7 |   |   |Am |(1コンパス半~2コンパスかけて歌う場合もある)
コンテスタシオン
| (D7)|  |   |G  |(1コンパス半~2コンパスかけて歌う場合もある)
コンテスタシオン
| (D7)|   |   |G  |(1コンパス半~2コンパスかけて歌う場合や、無い場合もある)
コンテスタシオン
| (D7)| (G)|  |F  |
|   F|    |    |E  |
|   F|    |    |E  |(最後の延ばしは無い場合もある)

(ラメント)
|E F G|F E |E F G|F E |
|E F G|F  |F (E) C7|F  |
|F (E) C7|F |Am G F|E  |(この段はメディオコンパスの場合もある)

こんな感じで歌本体部分は長さがかなり変化します。

カーニャの歌のバリエーション

1.最初AmでなくCに行くパターンもあります。
こちらのパターンは途中でAmの中締めが入ったりします。

2.もう一つ、AmやCを経由せずに最初からGに行くパターンもあります。

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