元メインギターの話

弟の所に預けっぱなしだった元メインギターが9年半ぶりに自分の手元に戻りました。

このギターには悲しい歴史があって、その結果、こんなに長期間に渡って自分の元を離れることになってしまったのですが、今日はこのギターの事をお話しようと思います。

リカルド・サンチス(1998年製)

1998年製のリカルド・サンチスで、音の出かたと弾きやすさに惚れ込んでしまい、スペインで買ったホセ・ロメロを売却してまで手に入れた楽器です。

入手したのは1998年の終わりだったと思います。

一般的にはホセ・ロメロのほうが高価な楽器ですが、そんな事はどうでもよくなるほど気に入ってしまいました。

大破→修理→預けることに

このリカルド・サンチスは、1999年~2010年の間メインギターとして使っていて、今まで所持した楽器の中でも一番気に入って大事にしていたものですが、2010年の終わり頃に不幸な事件があって、バリバリに壊されてしまいました。

その後、修理はしたものの、裏板が全交換になったりして音が変わってしまって、この楽器を弾いたり、修理の跡を見るたびに嫌な記憶が甦ってしまうということもあって、10年近くも弟に預けたままにしてしまいました。

この出来事に象徴されるように、この時期、自分の生活は荒廃していて、家に高い楽器や機材を置いておけない状態だったので、安い楽器や機材しか手元に置かないようになりました。

悲しい話ですが、こんな環境にいたお陰で、PC含む機材に関しては徹底的に調べるようになり、結果として機材の知識が凄く増えたし、安いコストで必要十分なものを選んだり、自力で修理したりする力がついたのは収穫でした。

まぁ、安い機材ではどうしようもない壁もあるので、その場合は中古を探したり、レンタルを利用したり、使いたい機材があるスタジオに行ったりしてやりくりしていました。

――少し話がそれましたが、こんな事情があって、リカルド・サンチスも長い間、預けることになってしまったわけです。

でも、このままずっと誰にも弾かれないのはギターも不憫だし、ずっと気にはなっていたんです。

9年半ぶりの再会

リカルド・サンチスを手元に戻したきっかけは、8月に弟と久しぶりに電話で話した際に、近いうち会おうという約束をしたことです。

この機会に、心の深い部分に刺さったトゲのようになっていた、このギターを引き取ることを考えました。

もう過去の事は、あれこれ考えても仕方がないし、新しい楽器を買ったつもりで迎えようと思って。

そんな経緯があり、先日弟に会って、ギターとも9年半ぶりの再会を果たしたわけです。

あれ?音良くなってないか?

今、細かい調整をしながら毎日弾いていますが、『あれ?こんなに良い音だった??』と感じてます。

正直、このギターの元々の音を正確に記憶しているか怪しいもんですが、すごぶるレスポンスが速く、高音と低音のバランスが良いクッキリした音色で、『あ~、そうだ、この音の出方だよな』と。

修理直後に音が変わっていたのは、交換した部分の木材や接着剤が乾燥不足で馴染んでなかったせいかもしれません。

あと、弟の家での保存状態が良くて、いい具合に寝かされて熟成したとか。

調整が終わったら、メインギターに返り咲く予感。

――この楽器は、自分が迎えにくるのをずっと待っていたんだと思います。

9年半もの長い時間、放置してしまった事を謝りたいし、こうして不死鳥のように甦って、自分の手元に戻って来てくれたことを感謝したいです。

このギターには、これからまたバンバン活躍してほしいし、コロナが終わったら、自分もこのギターのように甦って、活躍したいものです。

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