アレグリアスPart3(Alegrias3)【YouTubeファルセータ動画29】

アレグリアスPart3 動画
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YouTubeファルセータ動画第29弾はアレグリアスのPart3です。

アレグリアスは数あるフラメンコの形式の中でも1、2を争う人気曲種で、踊りでも歌でもギターソロでも非常に良く演奏されます。

アレグリアス形式解説

パコ・クルスのファルセータを2つ演奏

今回のアレグリアスは2つのファルセータを弾いていますが、2つともスペインにいた時(1996年頃)にパコ・クルス(Paco Cruz)というギタリストに教わったものです。

パコ・クルスには7、8回レッスンを受けましたが、その間30個から40個くらいはファルセータを習ったと思います。

彼のファルセータはコード、フレージング、リズムが独特で完成度も高いので、未だに気に入って使っているファルセータが相当数あります。

パコ、トマテ、ビセンテ、モラオなどのメジャーどころのファルセータと比べて、他のギタリストとの被りが無いのも良いです。

では、個別にファルセータの解説をします。

1つ目のファルセータ【パコ・クルス】

1つ目のファルセータは、いきなりA7sus4→D7→G7から入るのが「おお?そっちから来る?」っていう感じで気持ちいいです。同主調のEマイナーキーぽくなりますね。

そのあと半音進行→5度進行して、F♯7→B7→Eとして、Eメジャーキーに落ちをつけるのも自然な流れです。

このファルセータで難しいのは右手でしょうか。

主体になっているのがシンコペーション入りの3連符アルペジオでベース音も入っているし、基礎練習をしっかりやってないと綺麗に弾けなそうです。

自分も毎日の基礎練メニューに、こういう指の組み換えがあるシンコペーションアルペジオのパターンも入れています。

最後のピカードは右手と左手のタイミングが合いにくい難フレーズです。

ここはスラー(ハンマリング・プリング)を使わずに全音右手を使って弾いたほうが楽そうなパターンですが、そうするとゴツゴツしてしまうので、前半はスラーで滑らかにしてます。

2つ目のファルセータ【パコ・クルス】

2つ目のファルセータは、冒頭が2拍目(1から入る12拍子カウント)の頭から入っています。

アレグリアスやソレア・ポル・ブレリアのコンパスは3拍目に強いアクセントがあって、それに対してアウフタクト(弱起、前倒し)して入る、っていう場面が多いですが、3拍目から逆算して2拍のアウフタクトなら1拍目の表から、1拍半アウフタクトなら1拍目の裏から、という感じですよね。

この場合、1拍アウフタクトして3拍目のアクセントに抜ける→2拍目の頭から入る、という感覚です。

後半、4コンパス目前半あたりの3連アルペジオはコンパスに対してイレギュラーな入り方をしているので暗譜に苦労しました。

でも、フラメンコの演奏って何度も何度も繰り返し同じフレーズを練習してコンパスごと体に入れるので、一度おぼえたらそう簡単に忘れないんですよね。

そして、このファルセータはコード進行もパコ・クルスの特徴満載です。

E→Emとかメジャーキーで突如トニックマイナーが出てきたり、オーギュメントコードを多用したりとか。好きだなー、こういう感覚。

最後のピカードは、パコ・クルスと同時期にレッスンを受けていたエル・ボラ(Agustin Carbonell “Bola”)のフレーズなんですが「何かパンチの効いた締めフレーズが欲しいな」と思って、テクニカルなピカードを持ってきました。

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