コード(和音)の基本とコード機能【音楽理論ライブラリー03】

前回までで、インターバル、メジャー・マイナーの基本音階と調性についてやりました。

今回からは、コード=和音について学習していきます。
コードを理解することは音楽を勉強する上では最重要なことの一つです。

コード、コード進行とは?

コード=和音は、二つ以上の異なる音程の音を鳴らしたときに生じるハーモニーのことです。
コードは音楽、とくに西洋音楽の基本的な構成要素です。

そして現在の音楽の作曲法のかなりの部分がコードに基づいて行われています。

複数のコードを並べて、ハーモニーの移り変わりを作るのが『コード進行』です。

現在の作曲は先にコード進行から作ることが多いし、メロディーやリフなど、コード以外の要素から先に出来たとしても、伴奏を付けたり編曲するためにコード進行をつけます。

作曲=メロディーと基本的なコード進行を作る、という理解でいいと思います。
その先はアレンジ=編曲の範疇です。

コードの基本構成~3度堆積

現在の音楽で使われるコードの主流は、3度堆積コードと言われるド、ミ、ソ、シと音階を1音飛ばしで鳴らしたハーモニーです。

ちなみに3度堆積以外のコードも存在しますが、話が煩雑になるので今は扱いません。

3和音コードと4和音コード

基本的なコードの構成として以下の2種類があります。

  • 3和音=トライアドコード
  • 4和音=6thコード、7thコード

3和音コード

3和音はCメジャーを例にあげると、ド、ミ、ソまでのコードで、コードネームは『C』になります。

キーの名前、音名などと紛らわしい場合、Cメジャーコード、Cトライアドコードともいいます。
構成音は1+M3+P5。

3和音コードは5種類

3和音コードはメジャーコードだけでなく、3度と5度の音の変化でいくつかの基本コードができます。
ルート音をCとして一覧にしてみます。

メジャートライアド
C+E+G(1+M3+P5)=C

マイナートライアド
C+E♭+G(1+m3+P5)=Cm

♭5
C+E+G♭(1+3+♭5)=C♭5

♯5、オーギュメント
C+E+G♯(1+3+♯5)=Caug(C♯5)

ディミニッシュ
C+E♭+G♭(1+m3+♭5)=Cdim(Cm♭5)

マイナー♯5
C+E♭+G♯(1+m3+♯5)=Cm♯5
※一般的には使用されません

最初にやったメジャートライアドを入れると全部で6種類できます。

最後のマイナー♯5コードは可能性としては存在しますが、マイナーコードに対して♯5はコード機能(後半で解説)がおかしくなるし、他のコードの転回形(ルート以外の音をベースにしたもの)と解釈したほうが自然なので、ここでは除外します。

ですので、基本トライアドは実質5種類です。

4和音コード

4和音コードは、3和音コードにもう一つ音が付加されます。

例えばCメジャースケールを3度堆積すると、ド、ミ、ソ、シまでの4音の構成です。

このコードの構成音は1+M3+P5+M7で、コードネームは『CM7』、読みは『Cメジャーセブンス』になります。

ちなみにド、ミ、ソ、ラとすると『C6』になります。

15種類の4和音コード

4和音コードの可能性としては、上の5種類の3和音コードにM6,m7,M7の3種類の音が加わったものが考えられます。
ちなみに、m6は♯5と被るので使いません。

そうすると3×5で15種類の4和音コードが出来ます。

以下に一覧にします。
これも例としてルート=C音で書きますが、理論上は存在するものの、ほとんど実用されないコードも含まれます。
あまり使われないコードは※で注釈します。

6th
Cメジャートライアド+M6=C6

ドミナント7th
Cメジャートライアド+m7=C7

メジャー7th
Cメジャートライアド+M7=CM7

マイナー6th
Cマイナートライアド+M6=Cm6

マイナー7th
Cマイナートライアド+m7=Cm7

マイナーメジャー7th
Cマイナートライアド+M7=CmM7

6th♭5
C♭5+M6=C6♭5
※あまり使われません

7th♭5
C♭5+m7=C7♭5

メジャー7th♭5
C♭5+M7=CM7♭5
※CM7(♯11)として扱われる場合が多い

6th♯5、オーギュメント6th
Caug+M6=Caug6 C6♯5
※あまり使われません

7th♯5、オーギュメント7th
Caug+m7=Caug7 C7♯5

メジャー7th♯5、オーギュメントメジャー7th
Caug+M7=CaugM7 CM7♯5

ディミニッシュ7th
Cdim+M6=Cdim7

マイナー7th♭5、ハーフディミニッシュ
Cdim+m7=Cm7♭5

マイナーメジャー7th♭5
Cdim+M7=CmM7♭5
※あまり使われません

――どうでしょうか?
ここまで理解できれば、コードネームの付け方がなんとなく分かってきたのではないでしょうか?

コード機能

コード進行のそれぞれのコードには、そのコードが現在のキーに対してどのように働くか?ということを示す『コード機能』がついています。

トニック(T)

ドミナント(D)

サブドミナント(SD)

トニックマイナー(TM)

ドミナントマイナー(DM)

サブドミナントマイナー(SDM)

以上の六種類になります。
()内は略号ですが、以下、コード機能は略号で表記します。

TとSDはメジャーキーを
TMとDMとSDMはマイナーキーを表現します。

Dはメジャー系のコード機能に属しますが、マイナーキーでもハーモニックマイナーとメロディックマイナーで使用されます。

トニック(T)とトニックマイナー(TM)

トニック系のコードはキーの中心となる響きで、安定感・終止感を伴います。

Ⅰ、Ⅰmに解決している進行なら完全終止となりますが、ルートコード以外の代理コードへの終止は不完全終止となります。

ドミナント(D)とドミナントマイナー(DM)

安定したトニックコードに対して緊張感を演出してトニックコードへの解決を促します。

Ⅴ7とその裏コード(次回解説)の♭Ⅱ7がもっとも強いドミナント機能をもっています。
代理コードやドミナントマイナーはそれに比べるとやや弱くなります。

ドミナントコードはコード構成音の中にトライトーンという特殊な音程を内包していて、これが緊張感・不安的感となって、これが安定した響きへ行きたくなる要因です。

トライトーンについて

トライトーンは三全音とも呼ばれ、♯4、♭5、半オクターブと同じインターバルです。

ドミナント7thコードはM3とm7がトライトーン音程になっています。

トライトーンを含むコードは前後との関係にもよりますが、コード進行の中でドミナント的な働きをすることが多いです。

トライトーンを解消して安定した響きに変化する進行を指して『解決する』という表現を使ったりします。

サブドミナント(SD)とサブドミナントマイナー(SDM)

ドミナント系コードを補佐するコードです。

ドミナント系ほど緊張感は高くありませんがトニックのような終止感が無く、次のさらなる展開を感じさせます。

通常、コード進行はドミナント系コード・サブドミナント系コードからトニック系コードへと向かって流れる性質があります。

音楽理論ライブラリー 前回

基本的な音階と調性のしくみ【音楽理論ライブラリー02】
音楽理論ライブラリー 第2回は西洋音楽のベースになっているメジャースケール(長音階)・マイナースケール(短音階)と、調性(キー)について学習します。

音楽理論ライブラリー 次回

テンションコード【音楽理論ライブラリー04】
音楽理論ライブラリー 第4回はテンションコードについて学習します。9thや13thなど7以上の数字が付くコードは基本コードに色彩感を付加します。