ファンダンゴ・デ・ウエルバPart2(Fandango de Huelva2)【YouTubeファルセータ動画41】

ファンダンゴ・デ・ウェルバPart2 動画
↑クリックで動画再生

半年ぶりにファルセータ動画をアップいたしました。

今回は、ビエヒン(El Viejin)とエンリケ・デ・メルチョール(Enrique de melchor)のファンダンゴ・デ・ウエルバ(Fandango de Huelva)を演奏します。

ファンダンゴ・デ・ウエルバ形式については、こちらの記事をご覧下さい。

半年ぶりのフラメンコギター動画

前回、昨年の12月にアレグリアス・シレンシオPart2をアップして以来、半年間フラメンコギターの動画制作を休んでおりました。

正直、こんなに長期間休むつもりは無かったのですが、他の事で忙しく後回しにしているうちに気が付いたら半年経過していた、というのが実情です。

今年から「フラメンコギターのほうの動画コンテンツは不定期にする」という方針にしたものの、さすがに半年も空けてしまうのはブログ・YouTubeチャンネルの運営上よろしくないと思うので、今後はもう少しコンスタントにアップ出来るように頑張ります。

今回のファルセータ選定について

今回は録画の直前まで何を弾くか決めていなかったのですが、録画の数日前に、まだ動画にしていない手持ちファルセータを思い出しながら弾いてみたんですよね。

その中で、ビエヒンのファンダンゴ・デ・ウエルバがカッコいいと思ったので、今回はそれで行くことに。

でも、このファルセータ一つだけだと50秒位しか無かったので、後半にうまく繋がりそうなファルセータとして、エンリケ・デ・メルチョールのものをチョイスして追加しました。

このサイトのファルセータ動画の方針として「楽譜が出回っていたりして皆が弾くようなメジャーなファルセータは敢えて弾かず、他であまり弾かれていないものや、オリジナルのファルセータを紹介したい」というのがあります。

今回のファルセータは両方とも、かなり昔に耳コピーしたものだし、他に弾いている人は居なそうなので良いかな?と思いました。

以下、今回演奏しているファルセータを個別に解説いたします。

1つ目のファルセータ【ビエヒン】

1つ目のファルセータはビエヒンの1999年のアルバム『Algo Que Decir』に収録されているファンダンゴ・デ・ウエルバ「Sastipen Tali-fandango de Huelva」の冒頭で弾かれているファルセータです。

ビエヒンは本名をホセ・ヒメネス(Jose Jimenez)といって、1990年代は一族のラモン・ヒメネス(Ramon Jimenez)と共にアントニオ・カナーレス(Antonio Canales)の伴奏を務めていて、カナーレスの公演で何回か日本にも来ています。

ビエヒンの演奏は、アントニオ・カナーレスの伴奏で初めて聴いて(確か1992年)、そのセンスとテクニックに注目していました。

『Algo Que Decir』は発売後わりとすぐに購入したと記憶していますが、当時お気に入りのCDだったので、その中から相当数のファルセータを耳コピーして弾いていました。

今回のファルセータも2000年から2002年頃に耳コピーしたものと思います(あれからもう20年も経つのか……)。

『Algo Que Decir』の耳コピーしたファルセータの中で、今回演奏しているファンダンゴ・デ・ウエルバはかなり気に入っていたのですが、踊り伴奏の仕事等では使う機会も無く、人前ではほとんど弾いたことが無かったものです。

踊りのファンダンゴ・デ・ウエルバは初心者向けの伴奏需要がほとんどで、サイズも固定の場合が多く、ファルセータは2コンパスから4コンパス位でないと使えなかったりするんですが、このファルセータは10コンパスと長いし、コンパスも凝っていて全く初心者向けではないんですよね。

あと、ファンダンゴ・デ・ウエルバに限らずポル・アリーバの形式では、カポタストを3フレットから6フレットくらいに付ける事が多いんですが、このファルセータは音域が広いので、カポを高い位置に付けると音域変更のアレンジが必須になって、かなり雰囲気が変わってしまうという事もあります。

そんな理由でお蔵入りになっていたファルセータなのですが、改めて弾いてみると凄く良いので、ここでご紹介したいと思いました。

冒頭のDm7→Dm7(♭5)(onF)のコードの流れとか、リズムのシンコペーションのさせ方とかが痺れます。

2つ目のファルセータ【エンリケ・デ・メルチョール】

2つ目のファルセータは、エンリケ・デ・メルチョールの1992年のアルバム『Cuchichi』に収録されているファンダンゴ・デ・ウエルバ「Aguardiente」から抜粋したものです。

今回の演奏は、オリジナルの音源では別々のファルセータとして配置されている2つのファルセータを繋げて弾いているのですが、前半部分だけだと4コンパスと短く、終止感も今一つなので、後半部分の2コンパス半のファルセータを追加しました。

『Cuchichi』は1993年頃CDを買って、今回弾いているファルセータは1994年頃に耳コピーしたものです。当時作った手書きの楽譜が残っていました。

エンリケ・デ・メルチョールは往年の名ギタリスト、メルチョール・デ・マルチェーナ(Melchor de Marchena)の息子ですが、父親とはかなりスタイルが異なり、高度なテクニックに裏打ちされた端正な演奏をするギタリストです。

エンリケのファルセータの作り方は、当時(パコ・デ・ルシア世代)のオーソドックスなスタイルなのですが、オーソドックスなだけに応用範囲が広いファルセータが多く、リズムや使用コードもそれほど複雑ではないので、当時フラメンコギターを始めて間もない自分にとっては最適な教材になっていました。

そういえば、シギリージャPart1でもエンリケ・デ・メルチョールのファルセータを弾きましたが、彼のファルセータはキャッチーで分かりやすいので、踊り伴奏・歌伴奏問わず使いやすいんですよね。

今回演奏しているファンダンゴ・デ・ウエルバのファルセータも明快かつ印象的なものですが、とくに前半部分のディミニッシュコードの使い方が好きです。

後半部分は半コンパス(6拍)字余りになるファルセータなのですが、3連符の親指フレーズが結構忙しくて、演奏難易度は高めになっています。

エンリケ・デ・メルチョールは残念ながら2012年に鬼籍に入ってしまった(享年61歳)のですが、良いファルセータを沢山残しているので、微力ながら自分もこういう形で後世に伝えられたら良いな、と思います。

――なお、今回演奏したファルセータは、全て20年以上前にCDから耳コピー(動画と違って指使い等は分からないので推測するしかない)したものだし、細かい所は変えて弾いていたりするので、オリジナル音源とは違う部分もあると思いますが、ご容赦下さい。

コメント