もう少し演奏動画アップのペースを上げたいと言いつつ、またまた前回から半年空いてしまいましたが、久しぶりに演奏をアップしたいと思います。
前回のリベルタンゴに続き、今回もスタンダード曲のアレンジで、チックコリア(Chick Corea)の「スペイン」をお届けします。今回はイントロのアランフェス協奏曲とインプロビゼーションパートも入れて少し長めの尺で録音しました。
今回の録画の経緯
そろそろフラメンコギターチャンネルの演奏動画も作らなければ、とは思っていたのですが、なかなか取り組む時間がとれず、このタイミングとなってしまいました。
今回この曲「スペイン」を選曲したのは、夏頃から数回、ライブ演奏する機会があって指に馴染んでいたのがあります。
そして、直近のプラサギターラのイベントではオケを作って演奏したので、そのオケを使ってそのまま動画録れるじゃん?ということに気付き、急遽動画用にアレンジを考えてオケの尺も調整して録画しておくことにしました。
スペインについて
まずは「スペイン」の楽曲の背景などを解説しておきましょう。
スペインはジャズピアニストのチックコリアが1972年に作曲し、彼のグループであるリターン・トゥ・フォーエヴァーのアルバム『Light as a Feather』に収録・公開されましたが、現在でもスタンダードの一つとして世界中で演奏され続けている人気曲です。
イントロにはアランフェス協奏曲の第2楽章を使っていて、その後にアップテンポのテーマが展開していきます。
そして、この曲で最も有名なのは曲中何度も登場するクソ難しいキメのところですよね。
こういうのがあると演奏家魂をくすぐられてカバーしたくなるんだと思いますが、実に多くのプレイヤーがカバー演奏しています(楽器演奏だけでなく、歌詞を付けたヴォーカルカバーも多数存在)。フラメンコ系ではミシェル・カミロ(Michel Camilo)&トマティート(Tomatito)の演奏が有名です。
チックコリアについて
チックコリアは1941年生まれのイタリア系アメリカ人で、1960年代半ばから本格的な音楽活動を開始して、1968年にマイルス・デイヴィスのグループに加入。1971年にはフュージョンの先駆的なグループ「リターン・トゥ・フォーエヴァー」を結成します。このグループはラテンフュージョン色が強く、後にアル・ディ・メオラが加入したりしています。
1978年にリターン・トゥ・フォーエヴァーを解散してからは、フュージョン色が強い「エレクトリックバンド」とストレートアヘッドなジャズを演奏する「アコースティックバンド」を両輪として活動してきました。
このように、モードジャズ以降のニュージャズ・フュージョンの旗手として長年に渡って活躍してきましたが、一昨年、2021年2月9日に癌により亡くなりました。享年79歳。
今回のギターアレンジについて
今回のアレンジですが、イントロのアランフェスをやるか?(やるならどうやるか?)というのと、曲中のインプロビゼーションパートをやるか?(やるならどうやるか?)の2点で少々悩みました。
ただ、この曲、テーマだけだと1分とかで終わってしまうので、折角なら両方入れた方が良いんではないか?ということで両方頑張ることにしました。
イントロはクリック音を聴きながら演奏
まず、イントロのアランフェスですが、本来ならもっと自由リズムに近い形で演奏したかったのですが、動画の場合、途中からオケを鳴らしたりする操作がちょっと大変そうなので、イントロもインテンポで作ってテンポチェンジで処理することにしました。
ですので、イントロ部分は多少リズムを揺らしてはいますが、ヘッドホンでクリック音を聴きながら演奏しています。
ソロギターベースのインプロビゼーションに挑戦
次にインプロビゼーションパートですが、バッキングギターを重ねて単音主体のソロにするか、あくまでギター1本(+リズムトラック)での表現にこだわってソロギターベースのものにするか?ということで迷いました。
これは私事なのですが、最近、自分でベース音やコードを入れながらやる「ソロギターベースのインプロビゼーション」というのに取り組んでおりまして、その練習にもなるかな?ということで、今回はバッキングギターや他の音程楽器は入れず、ギター1本で完結させることにしました。
自分は「コードフォーム奏法」と呼んでいますが、フラメンコ式のコードフォームベースのフレージングを拡張させていくイメージです。
コードフォーム奏法解説記事
こういうスタイルのインプロビゼーションって、フレージングの自由度が制約されて凄く難しいんですが、上手く出来るようになればギター1本で鍵盤のようなコード感や厚みのあるソロが出来るようになるかもー、なんて思うのでコツコツ練習したいです。
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