前回のファルセータ動画からだいぶ時間が空いてしまいましたので、ここらで一発いっときたいです。
今回はファンダンゴ・デ・ウエルバです。
ファンダンゴ形式について
ファンダンゴはもともとアンダルシアの民謡ですが、フラメンコに取り入れられて以降、主にカンテを聴かせるための自由リズム形式として発展してきた形式群です。
そのなかで、ウエルバ地方のファンダンゴは民謡としての形を色濃く残していて、ハッキリした3拍子で演奏されます。
ファンダンゴ・デ・ウエルバ形式解説

これが厳密にフラメンコになるのか??というと微妙なところですが、特に日本では踊りの初心者向けレパートリーとして不可欠の形式になっていて、セビジャーナスの次くらいに教わるものです。
ファンダンゴ・デ・ウエルバのリズム
3拍子なんですが、実はかなり曲者で難しいリズムです。
今回弾いたファルセータも2つ目のファルセータがまさにそれなんですが、リズムは3拍、フレーズは2拍で進行することがあります。
6拍・12拍のコンパスなので辻褄は合いますが、2拍単位でメロディが食って入るので最初はすごい惑わされます。
これ、セビジャーナスも同様のものがありますが、ファンダンゴ・デ・ウエルバは顕著で、この形式の醍醐味=難しいポイントになっていると思います。
1つ目のファルセータ詳細
1つ目のファルセータは1996年頃スペインでパコ・クルスに習いましたが、このファルセータは当時のマドリードのギタリストは皆弾いていて、ライブでも何度も耳にしました。
結局、誰の作なんでしょう?謎です。
後半、Fでやっているアルペジオの下降フレーズは3連符で教わりましたが、長年弾いているうちに4連符(16分音符)のほうがしっくりくるようになって、今は4連符で弾いています。
2つ目のファルセータ詳細
2つ目のファルセータはエル・ボラのもので、彼の2ndCD『Vuelo Flamenco』でも弾いています。
ボラのバージョンはカポ無しでオクターブ上で弾いてますが、伴奏用に高いカポでも弾けるように1オクターブ下げるアレンジをしています。
エル・ボラはモダンスタイルのイメージが強いですが、こういう伝統的なフレーズもよく使います。
このファルセータも伝統的なファンダンゴ・デ・ウエルバのファルセータがベースになっていますが、元のネタからして上で書いたような複合拍子になっているという。
フレーズの頭がコンパスに対して、2拍食って入っています。
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