YouTube動画ファルセータ集、第5回目になりますが、今回はポル・アリーバ(Eスパニッシュ)のソレア・ポル・ブレリアです。
ソレア・ポル・ブレリアPart1 演奏動画解説
ソレア・ポル・ブレリアはその形式名通り、ソレアとブレリアの中間のものですが、フレージングのベースはソレアです。
ソレア・ポル・ブレリア形式解説

このソレア・ポル・ブレリアですが、日本だと形式名を略してソレポルと呼ぶことが多く、ここでも略称を使うことにして以後ソレポルと書きます。
ポル・アリーバのソレポルについて
ソレポルはポル・メディオ(Aスパニッシュ)で演奏されることのほうが多いですが、これはポル・アリーバ(Eスパニッシュ)のものです。
ポル・アリーバのソレポルですが、ソレアやカーニャ、バンベーラなどポルアリーバ形式の曲中で、ソレポルテンポのファルセータの要求があったりするので使用頻度が高く、かなり重要なものです。
そのわりには伴奏用ネタの供給数は少ないように思います。
ファルセータの音楽的な内容
今回演奏したものは、1997年頃マドリードのギタリスト、パコ・クルスに教わったもので、非常に美しいファルセータです。
1つのファルセータとしてはかなり長さがあります。
2~3つのファルセータが合体したような形なので、伴奏に使う際は部分的に切り出して4~12コンパスのファルセータとしても使えますが、展開の仕方がドラマチックなので、できたらフルサイズで使いたいところです。
3コンパス目・4コンパス目の3拍目のコードですが、オリジナルはFM7だったのを、FmM7に変えてみたら凄く良かったので、ずっとFmM7に変えて弾いています。
右手はアルペジオ・アルライレ系の表現がメインになっていますが、時折入るピカードがアクセントになっています。
リズムに関して思うこと
リズムは裏拍が多く、パルマの間を縫うように弾いていきます。
裏拍でのっていくのはラテン系音楽全体の傾向ですが、フラメンコはその最右翼です。
フラメンコでもそれ以外の音楽でも、ガツガツしたノリのものは裏拍強調は普通にマッチしますが、フラメンコの場合、今回のファルセータのようなしっとりした部類のものでも裏拍でのっていくのが基本なので、そのあたりは独特だな~、と思います。
聴く側にも常に高度なリズム感・タイム感を要求してくる、というか。
そのへんが、フラメンコのマニアックな部分であり、敷居を高くしているところかもしれませんが、自分はフラメンコのそういうところがたまらなく好きです。
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