今回のファルセータ動画はタンゴPart3で、フラメンコギターチャンネルのほうは、これが今年ラストのYouTube動画になります。
ルンバタンゴで演奏
元ネタは、2008年頃に作って2018年に録音した自作曲『Tango de Azul』です。

今年の6月に、この曲の前半部分を使って『第1回フラメンコWebフェスティバル』に参加するための演奏動画を作成しました。
Webフェスの公開終了後の9月に『タンゴPart2』として、このブログにもアップしています。

今回演奏するのは『Tango de Azul』の終盤部分です。
『Tango de Azul』の一昨年録音したバージョンでは、終盤部分もそれまでの流れに沿ってタンゴのテンポで弾いていますが、この部分単体だともっと速いテンポで弾いたほうが映える感じなので、今回はルンバのテンポで弾いています。
なので、形式名はタンゴにしましたが、ルンバとしても良いと思います。
こういう感じの曲調を、自分は『ルンバタンゴ』と呼んでいて、カンテのCD等でも非常によく聴かれるものです。
その場合、歌はタンゴですが、バックのリズムパターンはルンバで演奏され、テンポは190~230BPMくらいになります。
今回演奏している部分は24コンパスありますが、3つのセクションに分けられますので、各セクションを単体ファルセータとして解説します。
1つ目のファルセータ(序盤8コンパス)
9月にアップした『タンゴPart2』の後半でも弾いている『Tango de Azul』のメインテーマメロディーと同じモチーフ(細かいところは違います)で始まります。
5コンパス目からは独自の展開になりますが、コードは5度進行なので『タンゴPart2』でやってるバージョンよりシンプルです。
細かい右手の弾きかたやシンコペーションのさせ方は、自分もあまりちゃんと決めていないので演奏する度に変わるんですが、基本の流れをしっかり表現できていて、適度にシンコペーションが入ってカッコ良くまとまっていれば結果オーライです。
今回の弾きかただと、C7→Fで止めて次のファルセータに繋げていますが、このファルセータ単体で終わらせる場合は、C7→FをC7→B♭→Aなどに変えるか、締めのフレーズを付け足して終わるといいです。
2つ目のファルセータ(中盤8コンパス)
8コンパス目の低音アルペジオから入る部分です。
ここはアポヤンドのアルペジオにハンマリング・プリングを絡めていて、しっかり音を出しながら正確なテンポキープするのは難しいフレーズが続きます。
このアルペジオの所は、あらかじめ右手のパターンを考えておいて、それを守って弾かないと弾き切るのが難しいかもしれません。
12コンパス目からの後半2回り目で一瞬短3度転調を入れてますが、こういう動きってフラメンコぽいですよね。
3つ目のファルセータ(終盤8コンパス)
B♭M7→B♭7のフレーズの後、Em7♭5→A7→Dmとなって、調性がDマイナーキーに寄って行きます。
そして、2周目ではそのままDマイナーコードへ終止します。
こういうマイナー終わりのパターンを普通のタンゴの流れの中に入れると、前後の展開によっては使いにくい場合もあります。
演奏では、この後ポル・メディオに戻って少しマルカールしてから終わってますが、マイナー終わりのファルセータをポル・メディオの曲中で使いたかったら、こういう感じでブリッジ的なマルカールを入れてやると繋がりが良くなったりします。
バンベーラの歌がマイナー終わりして、ギターのマルカールでポル・アリーバに戻す感覚と同じですね。
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