今回のファルセータ動画はアレグリアスの第2弾です。
アレグリアス第1弾は昨年2月に演奏していますが、もうあれから1年以上経つんですね。
今回はエル・ボラ(Agustin Carbonell “Bola”)の1stアルバムの1曲目「Alegrias De Cascorro」より3つのファルセータをセレクトして演奏しました。
アレグリアス形式解説
エル・ボラの1stアルバムからチョイス
エル・ボラの1stアルバムは1989年に録音され、最初『El Bola』というタイトルでLP盤が発売されましたが、1991年に『Carmen』というタイトルでCD版が出たり、後になって元の『El Bola』のタイトルでCDが再販されたりと、タイトルとジャケットが異なる複数のバージョンが存在します。
自分は最初、LP版で入手して(確か1992年ですが、日本ではLPしか手に入らなかった)、カセットテープにコピーして、バイト中にウォークマンでヘビーローテーションしていました。
その後、LPプレイヤーを処分してしまったためCD版を買い直してます。
最初にLPを買った当時はフラメンコを始めたばかりで、手に入る音源を片っ端から聴いていたんですが、中でもこのエル・ボラの1stアルバムは一番聴いたかもしれません。
エル・ボラのギターが好きすぎて、その後スペインまで本人に習いに行っているわけだし、エル・ボラの1stアルバムは当時の自分にとっては間違いなく最重要な音源でした。
今回演奏したのはそのアルバムの冒頭に入っているアレグリアスで、高度な演奏技術を駆使した複雑なコンパスに衝撃をうけて、必死で耳コピーしました。
当時はYouTubeなんか無かったし、フラメンコの奏法もまだそんなに理解していなかったので、左手の運指や右手の弾きかたがわからず、えらく苦労した記憶があります。
その後、スペインでエル・ボラ本人に教わる事が出来て、ずっと気になっていたものの答え合わせができました。
では、今回演奏したファルータを個別に解説していきます。
1つ目のファルセータ【エル・ボラ】
1つ目のファルセータは比較的古風な作りのもので、シンコペーションはせずに、ひたすら16分音符でメカニカルにアルペジオを弾いていきます。
こういう16分音符で埋め尽くされたメカニカルなファルセータはセラニート(Vivtor Monge “Serranito”)を彷彿とさせますよね。
7thの音を強調する音使いがエル・ボラらしいと思います。
2つ目のファルセータ【エル・ボラ】
2つ目のファルセータはオリジナルの音源では1つ目のファルセータに繋げて演奏されているので、それにならって繋げて演奏しました。
この2つ目のファルセータは、3連符と16分音符が入り乱れる複雑なリズムな上に音使いもマニアックで、かなり難易度が高いものですが、これはカッコいいですよねー。
このファルセータは耳コピーで音だけ採譜しても結局あまり理解できず、本人に運指を教わって、目の前でゆっくり弾いてもらって、ようやく、どうなっているのか理解できました。
3つ目のファルセータ【エル・ボラ】
3つ目のファルセータは、冒頭のpipフレーズがサビーカス(Sabicas)風の古風な導入ですが、すぐにエル・ボラ独特のフレージングに移っていきます。
このファルセータは、とくに最後の1コンパス半くらいの流れがカッコイイと思います。
コードとしては普通なんですが、よくこんなフレージングを思いつくなぁ、と感心します。
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