YouTubeファルセータ動画、10本目はエル・ボラ(Agustin Carbonell “Bola”)のファルーカです。
今回弾いているのは、エル・ボラの1stアルバムに収録されている「Galicia」という曲の前半部分で、エル・ボラに直接教わったものです。
ファルーカ形式解説
エル・ボラの音楽との出会い
自分はフラメンコギターを始めて間もない頃、1992年の秋から冬頃と思いますが、エル・ボラの1stアルバムを輸入盤のLPで入手しました。CDは入手できなかったんですよね。
当時はとにかく色々なものを聴いてフラメンコを勉強しようと思い、日本で手に入る音源を片っ端から買い込んで、夜間にやっていた清掃の仕事や電車の移動中にずーっとウォークマン(まだカセットテープの時代!)で聴いていました。
その中で一番好きだったのがエル・ボラの1stアルバムでした。
ちなみに、その時期はソロデビュー間もないビセンテ・アミーゴ(Vicente Amigo)のプレイに夢中になって耳コピーに精を出していた頃です。
その少し前、1992年7月のビセンテの来日公演に衝撃を受けて、ジャズやロックはもう辞めてフラメンコに完全転向しようと決心したのはこのブログの最初のほうの自己紹介記事で書いた通りです。
そして、エル・ボラの1stアルバムもビセンテ・アミーゴの来日公演と同じくらいの衝撃でした。
和音やリズムも「なんだこれ?どうなってるんだ?」という感じでしたが、曲作りやアレンジにも惹かれました。
彼の音楽は一般的なフラメンコのイメージと異なりますが、都会的でほの暗い感じで、でもなぜかフラメンコ色は物凄く濃くて、そういうエル・ボラの個性的な音楽の大ファンになりました。
そして「いつかスペインに行ってエル・ボラに教えを受けよう」という事がその時の、大きな、大きな目標になりました。
そして、その目標は3年半ほどかけて叶えることになります。
このファルーカ「Galicia」について
このファルーカはエル・ボラの曲の中ではシンプルな部類ですが、ズッシリくる名曲と思います。
彼はこれを10代で作曲してるんですよね……。
とくにイントロが終わった後、Amの音階から始まる1つ目のファルセータ、これは全フラメンコの歴史の中でも屈指の名ファルセータじゃないでしょうか。
もうかれこれ20年間くらい、なんとかエル・ボラの弾いていたものに近づこうと弾いているファルセータですが、近づけているか?は謎です(笑)
まあ、ボラはボラ、自分は自分なんですが、このファルセータを弾くと、そういう若い時のエル・ボラへの畏敬の念が蘇ります。
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