1996年頃にスペインで師匠のエル・ボラ(Agustin Carbonell “bola”)に教わったブレリアです。
ブレリア(Buleria)形式解説
今回は3つのファルセータを演奏
今回は3つのファルセータを繋げて弾いていて、これらはエル・ボラの2ndアルバム『Vuelo Flamenco』(1996年)に収録されています。
2つ目と3つ目のファルセータはホルヘ・パルド(Jorge Pardo)のアルバム『Veloz hacia su sino』(1993年)でも弾いています。
この中では、とくに2番目の9拍目裏から入ってハイポジションにスライドするファルセータが鬼のカッコ良さと思います。
これを初めて聴いたのは、ホルへパルドのCDでしたが「スペインに行って、絶対に本人に習いたい!」と思っていたファルセータの一つです。
スペイン滞在中、マドリードで行われたエル・ボラのライブは、ほぼ皆勤賞で行ってましたが、なんというか壮絶な演奏をする人でした。
CDよりライブのほうがテンポもかなり速いしタッチも強かったです。
当時の自分には神にも等しい存在でしたが、今、少しは近づくことが出来ているんだろうか……。
以下、ファルセータごとに個別解説します。
1つ目のファルセータ【エル・ボラ】
冒頭に弾いている1つ目のファルセータは、低音アルペジオを主体にしたものです。
こういうアルペジオはフラメンコ独特のものですが、音の強さが欲しいので、極力アポヤンドで弾くようにします。
ですので、通常のアルペジオと演奏フォームが異なります。
フラメンコでは低音アルペジオに限らず、高音弦のアルペジオもアポヤンドで弾く場面が多いですが、これはパルマやサパテアードに埋もれないようにするためです。
フラメンコギターのアルペジオ奏法に関してはこちらの記事をご覧ください。
2つ目のファルセータ【エル・ボラ】
2つ目のファルセータは、ディミニッシュの細かいフレージングが出てきたり、テクニック的にも難しいですが、それよりコンパスのとりかたが難しいです。
これは9拍目の裏から入っていて、エル・ボラはこの入りかたを多用するんですが、最初は全然掴めなくて苦労したおぼえがあります。
3つ目のファルセータ【エル・ボラ】
3つ目のファルセータはAメジャーに転調して始まりますが、すぐにポルメディオ(Aスパニッシュ)に戻るので、メジャーとスパニッシュの複合調みたいな感覚です。
前の2つに比べると比較的難易度が低いファルセータと思いますが、動画でやっているように、オチの付け方を裏で弾くとカッコイイですよね。
最後の10裏からの親指下降フレーズは畳みかける感じで弾きます。
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