アレグリアス シレンシオPart1(Alegrias Silencio1)【YouTubeファルセータ動画33】

アレグリアス シレンシオ Part1 動画
↑クリックで動画再生

フラメンコギターの演奏動画はこれが今年最初になりますが、今回はアレグリアスのシレンシオを演奏します。

シレンシオについて

シレンシオはアレグリアスの踊りの中で入るゆっくりしたパートで、歌やサパテアードは入らず、ギターのファルセータで演奏されます。

ですので、伴奏ギタリストはシレンシオ用のファルセータを何パターンか用意しておかなければなりません。

シレンシオ解説

カンティーニャス・アレグリアス(Cantiñas,Alegrias)【フラメンコ音楽論11】
フラメンコ音楽論 第11回講座はカンティーニャス系の形式解説です。代表形式であるアレグリアスを中心にコンパスの特徴、踊り・歌の構成も解説しています。

アレグリアスはメジャーキーですが、シレンシオの部分は同主調のマイナーキーに転調して演奏されます。

アレグリアスの歌はEメジャーキーが主流なので、シレンシオはEマイナーキーが主流となります。

テンポはソレアと同じくらいですが、ソレアと同様に60BPM~120BPMくらいと、かなり幅があります。

昔は速いテンポで演奏されていたのが、時代が進むにつれてゆっくりになってきたのもソレア同様です。

シレンシオはサイズが大体決まっています。

短いパターン
マイナーキー6コンパス

長いパターン
マイナーキー6コンパス+メジャーキー4コンパス=10コンパス

以上の2種類が基本です。
変化があるとしたら、ここから1コンパス伸縮するとか、たまに4コンパスの短縮パターンもあるという程度です。

ちなみに今回演奏しているのはスタンダードな6コンパスのパターンです。

伝統的なファルセータはコード進行もほぼ決まっていて、いわゆるマイナー3コード(EマイナーキーならEm,Am,B7)で構成されています。

今回のファルセータ【ホセ・ルイス・モントン】

今回演奏しているのは、バルセロナのギタリスト、ホセ・ルイス・モントン(Jose Luis Monton)作のファルセータのアレンジです。

ホセ・ルイス・モントンの1998年のアルバム『Aroma』に収録されているアレグリアス『Me Sabe a Mar』という曲のイントロに使われていますが、その録音でのアレンジは、シレンシオのファルセータのバックにアレグリアスのテンポ(シレンシオの2倍速)でパルマが入っていて、途中から徐々に普通のアレグリアスに移行していくような面白い効果をあげています。

ちなみに、このファルセータは他のスペイン人ギタリストにも踊り伴奏ネタとして使われることが多く、自分が最初にコピーしたのも、ベレン・マジャの伴奏ギタリストが弾いていたものでした。

ですので、自分の演奏は以下の3つがミックスされたものになっています。

  1. ホセ・ルイス・モントンのCDバージョン
  2. ベレン・マジャ伴奏バージョン
  3. 長年演奏してるうちに変化した自分バージョン

屈指の名ファルセータ

自分はもうかれこれ20年くらい、このファルセータを弾いているんですが、今までおぼえたシレンシオのファルセータの中でも一番好きなものです。

ホセ・ルイス・モントンの作曲センスは本当に素晴らしいんですが、とくにこのシレンシオの6コンパスには彼のギターの魅力が凝縮されて完璧な構成になっていて、フラメンコギターの歴史の中でも屈指の名ファルセータだと思います。

コード進行について

このファルセータのコード進行ですが、伴奏用のシレンシオとしては凝っていて、ギタリスト複数人で伴奏する場合はギタリスト同士で打ち合わせが必要になるパターンです。

キーはスタンダードなEマイナーで、6コンパスの短いバージョンです。

序盤2コンパスはテンションノートは沢山入るんですが、ベースは3コードで、シレンシオの基本の流れを守っています。

ただし、所々B7の代わりにAmが使われていたり、B7の前置きとしてCM7が登場したりしてます。

中盤4コンパス目がイレギュラーな展開ですが、F♯ハーフディミニッシュを上手く使って最後FM9に行っています。

FM7はEマイナーキーから転調無しと考えると♭ⅡM7にあたり、いわゆるナポリコードです。

ナポリコードはコード機能としてはサブドミナントマイナーになりますが、良くドミナントコード(セカンダリードミナント含む)の代理として使われます。

解決先コードの半音上のメジャー7thコードですね。
マイナー系のドミナント代理なので、解決先コードはマイナー系コードのほうが自然な感じになります。

このファルセータみたいに、ナポリコードに終止させる作り方はややイレギュラーですが、意味深な余韻を残す感じで良いですよね。

終盤はまた普通の展開に戻りますが、部分的にEメジャーキーになっています。

コメント