ブログ・ホームページの始め方【マイノリティのWeb戦略11】

「マイノリティのWeb戦略」では、今回からブログ・ホームページの運営について考察していこうと思います。

自分は2018年4月にブログを始めてから、インターネット発信活動の中核チャンネルとして活用していて、現在は当ブログ(後藤晃のフラメンコギターブログ)と、姉妹ブログの「ゲーム音楽をソロギターでひたすら弾くブログ」を並列運用中です。

ブログ運営について、当ブログの「近況と活動報告」や、ゲーム音楽ブログ「月例まとめ」(更新終了)で散発的な記事を書いていましたが、「マイノリティのWeb戦略」では、それらの成果をフィードバックさせつつ「これからブログやホームページでコンテンツを発信してみたい」「ブログやホームページのアクセスをもっと増加させたい」という方の役に立つような内容に出来たらと思います。

ブログ・ホームページの特徴

ブログやホームページは端的に言うと、文章・画像・ネットショップ・広告・問い合わせフォームなどのコンテンツの集合体であり、自前のWeb発信プラットフォームでもあります。

この「自前の」というのが、ブログ・ホームページの最大の強みですよね。

動画サイトや各種SNSなどの既存プラットフォームでの活動は常にプラットフォーマーの意向が入ってくるものだし、場合によってはアカウントを停止されたり、サービス自体が終了になったりするリスクも考えなければいけませんが、ブログ・ホームページの場合は自由度が遥かに高く、独自ドメインとバックアップさえ保持していればどんな事になっても復元が可能であるという点が決定的に違います。そのかわり、アクセスを集めるまでがかなり大変なわけですが……。

ブログとホームページの違い

ブログとホームページについて解説していくに当たって、まずはブログ・ホームページというものの定義を考えてみましょう。

広い意味ではブログもホームページの一形態なのですが、狭い意味でのブログとホームページの違いを挙げるとしたら以下のような感じでしょうか。

トップページ
ブログのトップページは記事の一覧などがメイン。ホームページはサイトコンテンツに移動するためのメニューや直近の告知などがメイン。

コンテンツ
ブログは個別記事など長文の文章コンテンツがメイン。ホームページはネットショップやギャラリーや短文の文章コンテンツ(告知など)がメイン。

以前は「ブログ→公開日記」「ホームページ→仕事や趣味の窓口」みたいな感じで棲み分けていたと思うのですが、近年はホームページにブログが併設されていたり、ブログにホームページの機能を組み込ませていたりするサイトが多く、その境界は曖昧なものになっています。

ちなみに、このブログも全然アクセスの無かった仕事用ホームページを吸収する形で、現在はブログ兼ホームページとして運営しています。

文章コンテンツ重視ならブログ型サイト

ブログ型サイトとホームページ型サイトの違いは理解してただけたかと思いますが、アクセスの増加を考えるなら、一般的には長文の文章コンテンツを積み上げていけるブログ型サイトが優位です。

Googleなどの検索エンジンの評価はテキストベースであり、文章コンテンツの質と量が基準になりますし、文章量が多いというのはそれだけヒットするキーワードが増えるということですから。

動画コンテンツにしても、丁寧な紹介文を付ける事で長期的なワード検索からの流入も期待できるようになるでしょう。

これは私見になりますが、文章コンテンツにはアクセス増加の他にも以下のようなメリットがあると考えています。

  • 文章であればスマホで執筆出来るので、電車移動などの隙間時間を活用出来る
  • ここ15年間ほどで急激に動画コンテンツ偏重が進んで動画は過当競争気味なので、文章コンテンツ見直しの機運が高まるのではないか?という予想

ただ、最近はChatGPT(2022年11月サービス開始)などの文章生成AIが台頭してきたりしていて、近い将来、文章作成はAIに任せられるようになったりするのかも知れないし、今後はどんな展開になるのかわかりませんが……。

ちなみに、やろうと思えばSNSでもブログに近い事が出来ますが、SNS投稿はほとんどの場合「nofollow属性」といって検索エンジンからは無視される仕様になっているため、長文で頑張ってもGoogle検索からの流入効果は薄い(あるいは全く無い)という点に注意して下さい。

活動をコンパクトに紹介したいならホームページ型サイト

SNSなどに押されて年々存在感が薄れつつあるホームページという形態ですが、ブログ型サイトよりも一覧性に優れるので短時間で活動の全体像を伝えるのに有利な形態です。

法人・団体の場合はしっかりしたホームページが無いと信頼を得られなかったりするし、個人の場合でも教室や店舗をやっているなら、その概要をコンパクトにまとめ、最少の操作で入会・購入の案内まで出来るホームページの必要性は高いと言えるでしょう。

個人でホームページ型サイトを作成・運営するとしたら、昔はホームページビルダー等のエディターを使ったり、自分でHTMLやCSSを書いたり、ftpソフトでサーバーにアップロードしたりと色々面倒でしたが、現在はWixやJimdoなどのWEBサービスで簡単に作成・公開が出来ますので気軽に始める事が出来ます。

しかし、現在は多様なネットコンテンツがある中で個人がホームページを作ったとしても、そのまま放っておいたら誰も見に来ないという事になり勝ちですよね。

ホームページへのアクセスを伸ばしていくためには、SEO(サーチエンジンオプティマイズ=検索エンジンへの最適化)施策やSNSでのPRは当然として、ブログを併設して文章コンテンツを増やしていったり、SNSや動画サイトと連携させたり、といったアクセスを呼び込む工夫も必要になるでしょう。

ブログ・ホームページ開設に必要なもの

ブログやホームページを運営するためには、①サーバー②ドメイン③制作ツールの3つが必須となります。

①サーバー
サーバーは、ブログやホームページを収容する場所(サーバー向けに設計されたコンピューター)で、普通はレンタルサーバー業者と契約して間借りします。サーバーのレンタル料金はサーバーのスペックや付加サービスによって月額200円から2000円くらいです。

②ドメイン
ドメインは、ブログやホームページにアクセスするための固有URLで、インターネット上の住所です。URLのうち、○○○○○.comとか、○○○○○.co.jpとかの部分ですね。これも普通は業者から借りることになります。料金は年額で1000円から4000円くらい(月額にすると100円から300円くらい)です。

③制作ツール
ブログやホームページはhtmlやCSSやphpなどで出来ているので、これらを自前でプログラム出来る人なら制作ツールは必須ではないのかもしれませんが、今はWordpress(ここではWordPress.comではなくソフトウェア版のほうを想定しています)などの無料の制作ツールがあるので、それを利用して作るのが楽です。ホームページ型サイトなら昔からあるホームページビルダーのようなツールも選択肢に入ります。

無料ブログ・無料ホームページサービス

上記の通り、サーバー・ドメイン・制作ツールの3つがブログ・ホームページ運営に最低限必要なものなのですが、Web上で提供されているブログ・ホームページ制作サービスを利用すればこれら3つは全て無料で賄う事も可能です。

サーバーは制作サービス提供会社がスペースを割り当ててくれるし、ドメインは提供会社保有ドメインのサブドメイン(https://○○○○○.example.comなど)やサブディレクトリ(https://example.com/○○○○○など)を発行してもらえたり、制作ツールはWeb上で操作出来る専用のものが用意されていますので、すぐに記事を書き始めることが出来ます。

ただ、そういった無料ブログ・無料ホームページサービスは、デザインの自由度が低かったり、使えるスペースの容量が小さかったり、アップロード出来るファイルに制限があったり、表示速度が遅かったり、収益化出来なかったり、広告掲載が強制されたりと、制約が多いことに注意してください。

そしてもう一つ、Google検索の場合「1回のワード検索で表示されるのは同一ドメイン(サブドメインも含める)からは2ページまで」というルールがあります。

これがあるため、無料ブログ・無料ホームページサービスで提供される無料の共有ドメインを使っている場合、同じサービス内に強力なライバルがいると中々浮上出来ないという問題があり、これを解消するためには独自ドメインを導入しなければなりません。

無料サービスの多くは課金することで、広告が外せたり、独自ドメインが使えたり、サーバーがグレードアップするパターンが多いのですが、それならば最初から自前で独自ドメインとサーバー(無料サービスへの課金額でそこそこのサーバーが契約出来たりする)を用意してWordPressで運用するほうが後々引っ越しの手間などが無くなって良いかもしれませんよね。

ちなみに、自分は無料ブログ(ライブドアブログ)からWordPressへの引っ越しを経験していますが、その後のアクセス減も含めて大変苦労しました。参考までにその時の記録を……。

こんな感じで、無料サービスは必ずしも良い事ばかりではないのですが「とりあえずお金をかけずに始めたい」「めんどくさい事はすっ飛ばしてすぐに始めたい」「続くかわからないし最初は無料サービスで始めてスキルが上がったらステップアップしたい」という方も多いと思いますので(自分もそうでした)、お勧めできる無料サービスをいくつか紹介したいと思います。

無料ブログ

無料ブログサービスでお薦めしたいのは、アメーバブログ・はてなブログ・ライブドアブログ・Noteの4つです。

アメーバブログ
多くの有名人が利用しているブログサービス。通称アメブロ。SNS要素の強いブログサービスで、SEO施策をせずともアメブロのコミュニティ内でそこそこのアクセスが狙えるので初心者・忙しい人向けです。欠点は独自ドメインに対応していない事。課金(月額1027円)することで広告が外せます。独自ドメインを取得するつもりが無く、手間と時間をかけずに緩く運営したい人にはお勧め出来ます。

アメーバブログ(アメブロ)を無料で始めよう!
16000人以上の芸能人・有名人ブログを読めるのはAmebaだけ。子育て・ファッション・ペット・旅行・マンガなどのカテゴリも展開!あなたの見たいブログがきっと見つかります。

はてなブログ
無料ブログの中でも使いやすく、基本的な機能は網羅しています。また、付帯サービスの「はてなブックマーク」が強力で、これと連携することでアクセス増を狙えます。独自ドメイン利用と広告非表示にするためには有料プラン(はてなブログPro、月額1008円)に移行する必要がありますが、はてなブログProは「Wordpressをおぼえるほどではないけれど、それなりにブログを頑張りたい」という人には最適な選択だと思います。

はてなブログ | 無料ブログを作成しよう
はてなブログは、無料でしっかり書けるブログサービスです。日々の生活から感じたこと、考えたことを書き残しましょう。

ライブドアブログ
完全無料のブログサービスで、かつては有料で提供されていたプランが無料開放されています。無料なのに独自ドメインや収益化に対応可能で、無料にこだわるなら最も自由度が高いサービスです。欠点はモバイル版の強制広告と独自コミュニティサービスがやや弱い事。自分も初期の10か月間ほどお世話になりました。

ライブドアブログ|豊富な機能で無料ブログ作成
ライブドアブログは簡単に開設できるブログサービスです。豊富なデザインが全て無料で利用でき、自由にドメインを設定できます。ライブドアアプリにブログを発信したり、いいねや拍手、コメントなどでコミュニケーションをサポートします。

note
近年ユーザー数を増やしているコンテンツ共有サービスでブログ的な使い方も出来ます。スマホからどんどん投稿出来てnote.com内での拡散効果も高いですが、カスタマイズ性が低いのが欠点です。有料プラン(月額500円)にすれば独自ドメインも使用可能です。

note ――つくる、つながる、とどける。
クリエイターが文章やマンガ、写真、音声を投稿することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームです。だれもが創作を楽しんで続けられるよう、安心できる雰囲気や、多様性を大切にしています。

無料ホームページ

現在、無料ホームページ制作サービスで最有力なのはWixとJimdoとStudioの3つだと思います。

Wix
世界で2億人以上が使っている老舗ホームページ制作サービスで、豊富なテンプレートを使ってドラッグ&ドロップで簡単にレイアウトできるのが特徴。Wixブログというブログサービスもやっていて、ブログ単体の開設やホームページとの併設も出来ます。課金(月額550円から4180円)することで独自ドメインを導入したり、広告を外したり出来るようになります。

無料ホームページ作成 | ホームページの作り方 | Wix.com
世界で2億5千万人以上が利用する無料ホームページ作成ツール。900種類以上のテンプレートや豊富なマーケティング機能を活用して、ノーコードで本格的なWeb制作ができます。

Jimdo
ドイツ製のホームページ制作サービスで、標準でブログやネットショップにも対応しています。Wixに比べて自由度が高い反面、自力で作らなければならない部分が多いので多少敷居は高くなります。課金(月額990円から5330円)することで独自ドメインを導入したり、広告を外したり出来るようになります。

Jimdo
無料で簡単にホームページを作成することができるジンドゥー(Jimdo)。プログラミング不要で見たまま思い通りに自分だけのホームページを作成!個人サイトはもちろん、会社のビジネスサイトにもご利用いただけます。

STUDIO
STUDIOは最近浸透してきたホームページ作成サービスですが、WordPressとWix&Jimdoの中間的なシステムといえます。イメージとしてはWordPress的な事が出来るエディター(CMS)に無料サーバー&無料ドメインがセットになっている感じですね。これも課金(月額980円から4980円)することで広告を外せたり、独自ドメインが使えたりCMSの機能が増えたりします。

Studio | ノーコードWeb制作プラットフォーム
コードやテンプレートに縛られずに、 誰でも自由自在にデザイン可能。 作成したサイトは、1クリックで世界に公開。 そう、必要なのはStudioだけです。

WordPressについて

では、ブログ・ホームページ制作ツールの本命であるWordPressをご紹介します。

ブログから大規模サイトまで作れる CMS - WordPress.org 日本語
簡単に美しいサイト、ブログ、アプリを作成するのに使えるオープンソースソフトウェア。

WordPressは現在最も普及しているブログ・ホームページの制作・運営ツールで、自分で用意したサーバーにインストールして使います。

ブログエディターのイメージが強いですが、ホームページ型サイトを作成・運営するのにも十分な機能が備わっているので、高価なソフトやHTMLの知識が無くてもホームページを作れます。

一般向けの無料ツールとしては非常に高機能で自由度が高く、プラグインを活用したり、自分で追加コードを書いたりすれば、ほぼ何でも出来るのではないでしょうか。あまりゴテゴテとトッピングするとそれだけ表示が遅くなったりはしますが……。

欠点としては、自前でドメインとサーバーを用意してからでないと使えない事と、個別のサポートなどはしてもらえないので全て自力で解決しなければならない事、大手無料ブログのような独自サービスやコミュニティの助けが無く、一定のアクセスを稼げるようになるまでが苦労する事でしょうか。

ぶっちゃけ、無料ブログ・無料ホームページサービスに毎月500円とか1000円課金するなら、今は同じ金額で良いサーバーが借りられるので、ある程度の知識がある方にはWordPressをお勧めしたいです。

ただ、全くの初心者には敷居が高いと思うし、はてなブログやnoteのような無料サービスには独自のコミュニティサービスやサポートがあるので、自力でアクセスが伸ばせなかったり、トラブルが解決出来ない初心者の場合は無料サービスで始めるのが無難でしょう。

自分も通った道なのですが、無料サービス→独自ドメイン導入→サーバーを借りてWordPressへ移行、というのが王道でしょうか。

WordPressや独自ドメイン、レンタルサーバーについては話すと長くなりそうなので、詳細はまた別記事にて解説したいと思います。

――次回はもう一步進めて、ブログ・ホームページの運営とアクセス増加のコツについて解説する予定です!

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