現在「マイノリティのWeb戦略」では、ブログ・ホームページの運営について書いています。
前回は、ブログ・ホームページを始めるために必要な基礎知識を中心に解説しました。
今回はもう一步先に進めて、個人ブログ・ホームページ開設後にどんな運営をすれば効率的にアクセスを増やしていけるのか?というテーマを考察したいと思います。
まずはアクセス解析
ブログ・ホームページを開設したら、なるべく早い段階でアクセス解析を始めましょう。
アクセス解析というと難しそうですが、どのページが(またはサイト全体が)どれくらい見られているのかを把握しておこうということです。
とりあえず、日々の訪問ユーザー数とPV数(ページビュー数、閲覧された回数)くらいは把握しておかないと、ブログやホームページを更新しても、効果があったのか?という事すらわからないですしね。
アクセス解析に使うツールとしては、Googleアナリティクスが有名ですが、WordPressであれば様々な解析用プラグインがある他、サーバー側にもそういう機能が付いていたりするし、ほとんどの無料ブログ・無料ホームページサービスにも簡単なアクセス解析メニューが標準実装されていたりするので、自分が使いやすいものを選ぶと良いです。
Googleアナリティクスを使いこなせば詳細な分析が出来るのですが、最初は無料サービスやサーバーに付属している簡易なものでも良いので、定期的にユーザー数やPV数をチェックしてサイトの改善に役立てましょう。
アクセス解析を始めたら、PVが増えていくような更新内容を自己分析して更新方針を立てていくことになります。
分析のポイントとして、日次の数字はかなり変動が大きいので1週間毎・1か月毎くらいの期間で統計して(アクセス解析ツールの表示期間設定で簡単に出来ます)、他の期間と比較しながら分析するのが良いでしょう。
一つ注意すべきなのは、自分のアクセスを除外するようにフィルターをかけないと、とくに開設直後や大規模な更新直後は表示チェックなどで自分自身のアクセスが増えるだろうから、実際のアクセスよりかなり多く表示されてしまう事です。
「更新してアクセス伸びた!」って喜んでいたら、実際はほとんど自分のアクセスだった、っていうのは笑えませんしね……。
除外設定のやりかたは使用するツールによって違う(出来ないものもある)ので、各自ググって下さい。
ちなみに、自分はGoogleアナリティクスを使っていますが、Googleアナリティクスについて話すと長くなりますので、また単体ネタとして別記事で解説しようと思います。
アクセスを増やす11のコツ
ブログ・ホームページのアクセスを伸ばすには、個人がSNSでPRしても大したアクセス数にはならない(スーパーインフルエンサーみたいな人は別ですが、そもそも、そういう人はSNS一本でやっていけますしね)ので、Google(Yahoo検索もGoogleのシステムを使用)やBing(マイクロソフト社の検索エンジン)などの検索エンジンからの流入を増やして行くのが王道ではないでしょうか。
ちなみに自分の場合、SNSのフォロワー数はもろもろ合わせて1万人弱くらい(重複も多いと思うので実数はもっと少ない)で、ブログ更新の度にSNSでPRはしていますが、SNSからのアクセスは全体の1割程度に過ぎず、8割以上は検索エンジンからの流入となっています。
検索エンジンからの検索流入を積極的に増やしていくには、記事の書き方やサイトの構造を検索エンジンのアルゴリズムに最適化させる「SEO(サーチエンジンオプティマイズ)」を意識しておいたほうが効率が上がるでしょう。
検索エンジンのアルゴリズムは随時更新されるし、それに合わせてSEO手法もどんどん変化するものですが、基本的な施策として以下に挙げる11点を守る事で検索順位の改善が見込めると考えます。
①ある程度の文字数
とくにブログ記事の場合は、ある程度の文字数があったほうが検索で上位表示されやすい傾向があります。
ただし、スマホでのスクロールが大変になるくらい文字数が多すぎたり、無理矢理長文にしたために内容がスカスカになっている文章は読まされる方はたまったものではないし、検索エンジンからスパム扱いを受けてサイト全体の評価を下げられてしまう可能性もありますので、文字数が多ければ多いほど良いというわけでもないと思います。
では、具体的に何文字が最適なのか?というのはサイト・記事のジャンルや、その人の文体や投稿時期(各検索エンジンは随時アルゴリズムを変えているので文字数に対する評価も変化する)によって異なると思うのですが、自分の場合、告知記事以外の「じっくり読ませる記事」なら全角5000文字前後を目安に、最低2000文字、最大10000文字(恐らくそれ以上は読むのが苦痛になる人が多いと思われる)くらいの範囲で書いています。ちなみに、この記事は約6000文字です。
②一定間隔の更新
ブログ・ホームページの両方に言える事ですが、なるべく同じくらいの間隔での定期更新を心がけましょう。
同じ記事数を投稿するにしても、やる気の出た時だけ毎日更新して、その後、半年以上も放置してしまうより、1か月に1本でも良いので定期的に更新したほうがサイトの評価が高くなります。
更新が無い期間が長引くと検索エンジンのクローラーが巡回してくる頻度を下げられてインデックス(検索サイトへのデータ登録)が遅くなるし、検索エンジンに「放置サイト」と認識されてしまうと表示順位にもマイナスの影響が出てしまいます。
ブログの場合は、やる気・時間のある時に記事を書き溜めておいて、すぐ出さなくても良いような内容のものは、忙しい時期の更新用の弾として温存しておくのも良いでしょう。
③キーワードの配置
検索エンジンから見て、ページタイトル(h1見出し)や大見出し(h2見出し)に入っている文言は他よりも重要視されます。
ですので、検索させたいキーワードをページタイトルや見出しに入れておく事はかなり効果があるのですが、あまりごちゃごちゃと詰め込むのはスパム判定の恐れもあって逆効果なので、その記事や段落のテーマに最も即したものを1つか2つ入れておくのが良いと思います。
基本的にタイトルや見出しの文言は文頭に近いワードほど重視されるので、最重要なワードをなるべく文頭に持ってくるようにしましょう。
④1ページにつき1つのテーマに
ワード検索の結果は、原則として1ページ単位で評価・表示されます。
1つのページに沢山の要素を詰め込んでしまうと、検索エンジンがページのメインテーマを判別しにくくなってしまうので、1つのテーマに絞って詳細に書いたほうが評価が上がりやすいでしょう。
記事全体の文字数にもよりますが、既に複数のテーマが書いてある記事は分割してテーマ毎に独立させる施策も効果的だと思います。
⑤他ページと内容重複を避ける
④の逆パターンになりますが、同じサイトの中で同じような内容が書かれたページが複数あると検索エンジンの評価が割れてしまうで、なるべく同じテーマは1つのページにまとめるようにしましょう。
とくにGoogleは重複コンテンツを嫌う傾向がハッキリしていますし、2つ以上の似たテーマのページを1つのページに集約する事でアクセスを伸ばせるケースも多いのです。
⑥モバイルデバイスへの最適化
近年、スマホやタブレットでのインターネット閲覧増加に伴って、Googleを始めとした検索エンジンはモバイルデバイスへの対応を重視する姿勢を鮮明にしています。
サイトを作る側としては、いわゆるレスポンシブWebデザイン(閲覧するデバイスの画面幅によって自動的に表示が切り替わる仕組み)に対応したWebサービス・WordPressテーマを使ったり、レイアウトや改行をスマホで見やすくなるように工夫したりすることで検索エンジンからの評価も上がりやすくなるでしょう。
⑦サイトの快適性向上
2020年頃からGoogleは「Core Web Vitals」というサイトの快適性を測る指標を設定して、その基準を順守するように呼びかけていますが、要するに「表示速度が速くて見やすいサイトを優先しますよ」ということですね。
ちなみに、Bingもサイトスピードを重要視することを明記していますので、同じような方針と思います。
サイト運営側の対策としては、①画像や広告を減らす②画像等のファイルサイズを小さくする③画像・スクリプト等を遅延読み込みさせる④動画などの表示方法を変更する⑤スペックの高いサーバーに引っ越す――などの施策が必要になる場合もあるでしょう。
なお、Core Web Vitalsに関してはGoogle PageSpeed Insightというページで計測出来ます。
Core Web Vitalsへの対応について、自分の体験談をこちらの記事に書きましたので参考にしてください。
⑧独自ドメインの導入
前回解説した通り、Google検索には「1回のワード検索で表示されるのは同一ドメイン(サブドメインも含める)からは2ページまで」というルールがあるため、無料ブログ・無料ホームページサービスで提供される無料の共有ドメインでは同じサービス内での競合が生じて上位表示が難しくなるという致命的な問題があります。
これを完全に解消するためには独自ドメインを導入するしかありません。
独自ドメインは有料ですが月額100円くらいから借りられるし、無料のブログ・ホームページサービスでも課金すれば独自ドメイン導入が可能になる場合が多い(ライブドアブログなら最初から無料)ので、本気でアクセスを伸ばす事を考えるなら、なるべく早く移行しておくのが得策です。
というのも、ドメインにはいわゆる「ドメインパワー」と呼ばれる評価ランクがあって(こういうサイトで計測出来ます)、運用年数や被リンク数などで評価され、検索エンジンからの評価にも影響するのですが、ドメインを変えるとそれまで蓄積してきたドメイン運用歴や被リンク数が無駄になってしまうという事情があるからです。
ただ、作りたてのドメインはドメインパワーが弱く、ドメインが育ってくるまでは無料サービスの共有ドメインのほうがパワーが強いという事もありますし、サイトの運営方針によって独自ドメインを取得するかどうかを判断して下さい。
⑨Googleサーチコンソール等への登録
Googleは「Googleサーチコンソール」、Bingは「Bingウェブマスターツール」という個人サイト向けのインデックス管理ツールを提供しているので、SEOを意識するのであれば必ず登録するようにしましょう。
これらのツールでは、検索エンジンへのインデックス申請や自分のサイトの検索表示状況の確認・分析が出来ますので、使いこなせればSEOが飛躍的に捗るようになります。
GoogleサーチコンソールとBingウェブマスターツールの詳細については、記事一つ分のボリュームになりそうなので、またの機会に個別解説しようと思います。
⑩外部サイトへのURL投稿
先程「SNSでのPRは大したアクセスにならない」と言った事と矛盾するかもしれませんが、検索エンジンからの評価が低いうちはSNSやコミュニティサイトでのPRは貴重なアクセス源になります。
また、投稿するサイトによっては(主要SNSなどはリンクがnofollow属性になっていてダメですが)外部リンクとして評価されて検索エンジンの評価が上がるという事もありますので、すぐにアクセスが伸びなかったとしても色んなサイトにURLを投稿しておくのはSEO施策としても有効です。
ただし、やりすぎるとSNS・コミュニティサイトの運営元や検索エンジンからスパム判定を受けて逆効果になったりするのでほどほどに。
⑪動画サイトとの連携
今の時代、アクセスを集めるには文章コンテンツ一本では厳しいものがあり、動画コンテンツの導入はマストになりつつあります。
ブログやホームページに動画コンテンツを導入する場合、サイトに直接動画ファイルを設置する方法もありますが、お勧めなのはYouTubeなどの外部サイトに動画をアップして連携させる方法です。
動画ファイルは巨大なので、サイトに直接置くのは表示スピードなどの面で悪影響を与えかねないですし、昨今は動画サイト自体が強力なSNSとして機能しているので、自分のブログやホームページと連携させる事で動画サイトの持つパワーを借りることが出来て、大きな相乗効果が期待出来るのです。
動画サイトとの連携させ方としては、自分のサイトにYouTubeなどの動画リンクを貼り付けるのと同時に、動画サイト側のプロフィールや動画紹介文に自分のサイトのURLを記載します。
ちなみに、お勧めの動画サイトはYouTubeと、発信ジャンルによってはニコニコ動画です。
TikTokやインスタグラムはURLリンクが無効化されるなど自由度が低いのでブログ・ホームページとの連携には適しません。
最終的にはSEOよりも記事の内容が大事
以上、個人ブログ・個人ホームページのSEOについて書きましたが、今は基本的にSEOよりも記事の文章などコンテンツの内容が重要視される方向になってきています。
以前は検索エンジンのAIの性能が低く、記事の内容まで評価できなかったため、相対的にSEOの効果が絶大だったのですが、近年はAI技術の進歩によりユーザーの反応も含めた多角的な評価がされるようになってきました。
Googleやbingの理念として「訪れたユーザーが満足感を得られるサイトを上位に表示したい」というのは不変の鉄則ですので、今後もAIの進化とともに内容の薄いサイトや盗作サイト、ユーザーがストレスを感じるようなサイトはどんどん排除されていくものと思われます。
今後は、ChatGPTなどの文章生成AIの影響など不透明な部分も多分にあるのですが、基本的にサイト運営者は「訪問ユーザーがどうしたら満足感を得られるのか?」という事を最優先にしないと長期的にアクセスを伸ばしていくのは難しいでしょう。
いかに魅力的な商品やコンテンツを持っていたとしても、それを効果的にPR出来なければインターネットで展開させる意味が無いですし、訪問ユーザーを満足させ続けた結果として、顧客が増えたり知名度が上がったりするものだと思うので、そのあたりの順序をよくよく考える必要があるのではないでしょうか。急がば回れです。
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