今回のファルセータ動画はソレア・ポル・ブレリア(ソレポル)ですが、オリジナル曲「Memoria」より自作ファルセータを2つ弾いています。
ソレア・ポル・ブレリア形式については、以下の記事をお読み下さい。
ソレア・ポル・ブレリア形式解説
オリジナル曲「Memoria」より抜粋
昨年7月にファルセータ動画として「ソレア・ポル・ブレリアPart3」をアップしましたが、その時はオリジナル曲「Memoria」の前半部分で出てくる長いファルセータを弾きました。
ソレア・ポル・ブレリアPart3
Memoria
今回は「Memoria」の中盤部分で出てくる2つのファルセータを弾いています。
1つ目のファルセータ【オリジナル】
「Memoria」の解説でも書きましたが「Memoria」で弾いているファルセータは作った時期がバラバラで、「ダイジェスト版・自分のフラメンコギター歴」という様相になっています。
今回1つ目に弾いている、Dm9(onA)のアルペジオから始まるファルセータは2001年に作ったものです。
このファルセータはフレージングやコード回りに一癖ありますが、敢えて理論は無視して感覚で作っている度合いが強く、スタンダードではない和音感覚です。少し細かい解説を試みてみましょう。
2コンパス目最後のE♭7はA7の裏コードですが「次は半音下降してDmに行くよ?」と見せかけるフェイクで、実際には次はA7系のフレーズに行っていて「おぉ?」ってなるのを狙ったものです。
3コンパス目からはA7一発と捉える事もできますが、細かく見るとB♭7やFaugなどの音が含まれていて、不協和音感を出しています。
5コンパス目はB♭m6というフラメンコテンション(自分が命名したフラメンコ独特のコード使い)バリバリのコードからオクターブ奏法で強引にAに持っていってますね。
6コンパス目と7コンパス目は、16分音符の細かいフレーズが続いて左手の動きがかなりキツいので、自分もカポタストを付けないと、しっかり音を出せません。
そして、この16分音符フレーズの締めくくりは、まさかのE7です。
ここは、次の展開によっては変えたほうが良いかも知れませんが、演奏で弾いているようにB♭から入るマルカールや繋ぎフレーズを挟めば、そんなに違和感なく元のポルメディオのキーに戻る事が出来ます。
2つ目のファルセータ【オリジナル】
2つ目のファルセータも、元ネタは1つ目のファルセータを作ったのと同時期(2001年頃)に作ったものですが、2018年秋の「Memoria」録音時に大幅に作り変えています。
更に、今回の動画化に当たって再度手直ししていますので、まさに20年越しのファルセータですね。
前半は3連符の親指フレーズ主体ですが、2コンパス目から平行移動でポルメディオ(Aスパニッシュ)のキーからエスケープしていきます。
2コンパス目後半のゴニョゴニョした所は今回手直しした部分ですが、B♭7とA7の音をミックスしています。フラメンコはこういうフレージング多いですよね。
後半は「Memoria」のバージョンでは5コンパス目から転調して別の展開になりますが、それだと伴奏で使うには冗長な感じがするので、今回は伴奏向けバージョンということで、良くあるシンプルなアルサプアのエストリビージョ(締めくくり)を入れて6コンパスで完結させました。
今回弾いたファルセータは2つとも「Memoria」のバージョンからかなり変わっていますが、「Memoria」バージョンと聴き比べるのも面白いのではないでしょうか。
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