2020年、フラメンコギターの動画はこれが第1弾となります。
今回はタラントで、踊り伴奏向けのファルセータを2つ演奏しました。
タラントのファルセータについて
タラントはカンテ・レバンテ(ファンダンゴの一種)を2拍子化したものですが、踊り伴奏でかなりの演奏頻度があります。
タラント形式解説
タラントのファルセータ動画は今回で2回目ですが、前回のはイントロ用とエスコビージャ向け(リズムはタンゴ)のものでした。
タラントPart1 ファルセータ動画
今回はもう少し汎用性の高いファルセータを2つ弾いています。
以下、今回演奏したファルセータを個別に解説してきます。
1つ目のファルセータ【エル・ボラ】
1つ目のファルセータは1996年にスペインでエル・ボラ(Agustin Carbonell “Bola”)に習ったもので、歌伴奏や踊り伴奏に使うとしたらイントロ向けのものです。
このファルセータは、あまりカッチリしたテンポで弾くより多少テンポを揺らして遊びを持たせて弾いたほうが、いい感じになると思います。
コード的には中盤のB♭dim7が面白いですが、こういうコードは結構昔から使われてるんですよね。
音は比較的シンプルですが、急にピカードが入ってきたり、親指のフレーズが細かくて全部音をしっかり出すのが大変だったり、テクニックの安定性を要求されるファルセータです。
エル・ボラのレッスンでは、彼が持っているファルセータを全形式、一通り教えてください、ってお願いしてたんですが、このファルセータは「タラントありますか?」って言った時に、すぐに弾いてくれたものです。
雰囲気的にエル・ボラ作の気もしますが(彼はこういう古風なフィーリングのファルセータをよく作る)、昔からあるファルセータを彼なりのアレンジで弾いたものかも知れません。
2つ目のファルセータ【チキ・ヒメネス】
2つ目のファルセータは2000年におぼえたもので、踊り伴奏向きでカッチリしたテンポでも映えるファルセータです。
記憶が確かなら、自分が実家を出る直前の2000年の大晦日に沖仁さんがウチに遊びに来たことがあって、そのときギターを一緒に練習してファルセータ交換をした時におぼえたものです。
沖さんいわく、チキ・ヒメネス(Chiqui Jimenez)作のファルセータだそうです。
チキ・ヒメネスはマドリードのアモール・デ・ディオスに出入りしていたギタリストで、自分も顔は知ってたんですが、沖さんは一時期チキの隣で、踊り伴奏の舞台に出て修行していたと言っていました。
自分はとても気に入っていて20年近くずっと使っています。名ファルセータですよね。
内容的には、かなり自分のアレンジが入っていて原版からかなり変化していると思いますが、タラントのF♯スパニッシュ調に加えて、グラナイーナで使うBスパニッシュ調がミックスされてるのがミソです。
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