ブレリアPart10(Buleria10)【YouTubeファルセータ動画38】

ブレリアPart10 動画
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ファルセータ演奏動画集 第38弾は、前回のブレリアPart9に続きブレリア2連発です。ここ数回は自作ファルセータで固めていましたが、今回は久々に他作のものです。

リズムの取り方がかなり面白いというか、理解しにくいかも知れないので、今回はブレリアのリズムの話から入ろうと思います。

ブレリアという形式

今回でブレリアのファルセータ動画は10回目になりますが、他形式に比べて突出して多いですよね。

ある程度フラメンコをやっている人は共通認識として持っている事と思いますが、ブレリアのコンパスは現代フラメンコの屋台骨であり、最もフラメンコらしい形式です。

ブレリア形式解説

ブレリア(Buleria)【フラメンコ音楽論12】
フラメンコ音楽論第12回はブレリアです。ブレリアは12拍子系の中でも最も自由度が高く理論化は至難ですが、コンパス(リズム)やコードワークの解析に挑戦しました。

上の形式解説を読んでいただければわかる通り、ブレリアは発生学的にはソレアがベースになっています。

それが、徐々にテンポが速くなって→リズムの遊びが増えて→……という具合に発達してきたものですが、現在では、ロックで言う8ビートのように、ブレリアの6ビートグルーヴはフラメンコの最も基本的な共通言語的ベースリズムとなっています。

フラメンコのリズム形式は沢山ありますが、12拍子、3拍子、さらにはシギリージャ系などにおいても、ブレリアのグルーヴやフレーズが応用されて、いたるところで顔を出します。

ちなみに2拍子系の場合はブレリアのかわりにタンゴ・ルンバのグルーヴが使用されますが、同じようなバックビートが強調されたリズムパターンを6サイクルでやればブレリア4サイクルでやればタンゴ・ルンバになるような感じです。

その6ビートグルーヴ発生の本拠地はヘレス・デ・ラ・フロンテラという小さな辺境の街(実際に行くとソコソコの街)で、そんなローカルなレアグルーヴと呼べるようなモノが核となっているフラメンコというジャンルは本当に一筋縄ではいかないですよねー。

リズムの話が長くなりましたが、それほどの重要形式ですので、スペイン人にギターを習うと、ファルセータなどはブレリアだらけになります。

例えばガロティンとか、そこらへんの形式だと「踊り伴奏用に数個しかファルセータを持っていないよ」というギタリストが多いんですが、そういう人でもブレリアは50とか100とか持っていたり。フラメンコギターとは、そんなバランスのジャンルです。

今回演奏の2つのファルセータ

今回は2つのファルセータを演奏していますが、2つともマドリードでパコ・クルスに教わったものです。

基本的にはマドリードスタイルのブレリアですが、少しヘレス的なノリも入っていたりで、なかなか面白いリズムのとりかたをします。

2つともメディオコンパス単位で作られていて、12拍でとると「あれれ?」となるので、6拍でとります。

ブレリアはソレアとの関係性から12拍で扱われることが多いですが、実運用上はほぼ6拍子なのです。

以下、個別に解説いたします。

1つ目のファルセータ

1つ目のファルセータはフレージングからしてパコ・クルス本人の作ではないかと思います。

コード的にはシンプルなように見えて、ピンポイントで変化音をぶちこんで来るのがカッコいいですよね。

とくにB♭7の7度音であるA♭の音の使い方がポイントですが、後半ではB♭mM7コード出てきたり、よく聴くとマニアックなファルセータです。

そしてリズムが裏ばかりなので、速いテンポで安定して弾くには相当の慣れが必要になります。

2つ目のファルセータ

友人のギタリストからの情報によると、このファルセータの前半部分はどこかのバル(飲み屋)のマスターが作って、後半部分をパコ・クルスが継ぎ足して完成させたという話です。

このファルセータは冒頭のB♭9の2拍3連のインパクトが全てだと思うし、実質、そのバルのマスターの作と言って良いかと。

コード的にはメジャー7thコードの平行移動が多くて、なんというかプログレっぽい作り方ですが、フィーリングはしっかりフラメンコですよね。

そして、1つ目のファルセータに負けず劣らず、リズムキープがしんどいパターンで、テンポがある一定以上になると急激に難易度が増します。

ちなみに動画では225BPMで演奏しています。235BPMくらいでも弾けないことはないんですが、リズムが甘くなりがちでテイク数が激増しそうな雰囲気だったので、少しテンポを落として演奏しました。

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