ブレリアPart9【YouTubeファルセータ動画37】

ブレリアPart9 動画
↑クリックで動画再生

今回のファルセータ動画でブレリア9回目になりますが、前々回のブレリアPart8に続き、自作曲「Individual Flamenco」からの抜粋で、長~いファルセータ(19コンパス!)を1つ演奏します。

ブレリア形式解説

ブレリア(Buleria)【フラメンコ音楽論12】
フラメンコ音楽論 第12回はブレリアです。ブレリアは12拍子系の中でも最も自由度が高く、理論化は至難ですがコンパス=リズムやコードワークの解析に挑戦しました。

元ネタの「Individual Flamenco」についてはIndividual Flamencoの解説ページと前々回の「ブレリアPart8」の記事内でお話していますので、そちらを参照してください。

Individual Flamenco

Individual Flamenco(Buleria)【音源・MV紹介】
オリジナル曲「Individual Flamenco」の音源・MVの紹介です。2018年7月14日録音のブレリア。YouTube版MVのテーマは「葛藤と前進」

ブレリアPart8

ブレリアPart8(Buleria8)【YouTubeファルセータ動画35】
今回のファルセータ動画はブレリアPart8。自作曲「Individual Flamenco」からの抜粋ですが、コンパスやフレージングがちょっと変わってます。

ポル・タラント(F♯スパニッシュ)のブレリア

今回のファルセータは「Individual Flamenco」の曲中、「ブレリアPart8」で弾いているファルセータの直前に弾かれているものです。

「Individual Flamenco」の記事中で解説していますが、この曲は転調が激しく、曲中で3回ほど転調が入ります。

今回のファルセータはAマイナー/ポルアリーバの最初のセクションから転調した直後に入るもので、ポル・タラント(F♯スパニッシュ)のキーで演奏しています。

ちなみに、最後はEメジャーに転調して終わるんですが、原曲では、この後すぐにポル・アリーバ(Eスパニッシュ)に転調して「ブレリアPart8」で弾いているファルセータに繋げるという、ちょっとややこしい展開になっています。

F♯スパニッシュ調はタラント/タランタを始めとしたカンテ・レバンテに使われるキーで「ポル・タラント」と呼ばれたりもします。

ポル・タラントは基本コードに解放弦を絡める事で、ギターならではのテンション感を出せる調性で、他の形式(原則、ミの旋法系の形式なら何でも可能)でもカンテ・レバンテ的なドロっとした響きが欲しくて使われる事もあります。

この調性で演奏される形式に関しては以下の記事も参考にしてください。

カンテ・レバンテの解説

カンテレバンテ(タランタ、ミネーラなど)【フラメンコ音楽論23】
フラメンコ音楽論 第23回です。前回やった自由リズムのファンダンゴの一種ですが、他のファンダンゴと雰囲気が違う「カンテ・レバンテ」と呼ばれる形式群を紹介します。

タラント形式解説

タラント(Taranto)【フラメンコ音楽論30】
フラメンコ音楽論 第30回は2拍子系の中でも色んな意味で特殊な形式「タラント」です。2拍単位の字余りや独自の展開があるので、そのあたりを解説していきます。

今回のファルセータ詳細

今回のファルセータは大まかに2つのセクションに分けられます。

1つ目のセクションは11コンパス半の長さで、最後はBm11のコードに解決するため(ラスゲアードで6拍目に抜けている所)、最後のほうはBマイナーキー寄りになっています。

その後間髪入れずに入る2つ目のセクションは、4拍半アウフタクトして入って7コンパスの長さですが、最後はFM7→Eadd9として、ポル・アリーバ(Eスパニッシュ)/Eメジャーキーへ持っていっています。

2つのセクションを合わせると19コンパスの長いファルセータになるので、伴奏などで実用する時(伴奏でF♯調のブレリアを要求される機会はあまり無いと思いますが)は、2つに分割したたほうが使い勝手は良いでしょう。

技術的なことに関しては、このファルセータの主役はアルペジオで、それに音階や親指が絡んでいきます。

そして、アウフタクトやシンコペーションが多いですが、アルペジオしながらシンコペーションすると右手の指の順番が変わったりするので、基本テクニックが安定していないと、リズムがグチャグチャになるやつです。

でも、こういう作りのファルセータって、なるべくアウフタクトやシンコペーションを使ってリズムを複雑化しないと、フラメンコらしいフィーリングにならないですよね。とくにブレリアは。

ちなみに、シンコペーションさせるところとか全部決めて弾いているわけではなく、ある程度即興的に変化するものなんですが、速いテンポで即興的かつ正確にシンコペーション・アウフタクトを入れていくスキルの習得というのは、フラメンコギターを練習する上で非常に重要なポイントです。

そういうフラメンコ的なリズム感を養う練習方法としては、色んなタイプのシンコペーションフレーズをコピーして、ソロコンパスやメトロノームに合わせて、ひたすら反復して体に入れていくしか無いかと。

ファルセータの経年変化

このファルセータは作ったのは2004年頃ですが「Individual Flamenco」の中でもお気に入りのもので、17年かけて少しずつブラッシュアップして今の形になっています。

2018年の録音の「Individual Flamenco」と今回のバージョンでも何ヵ所か違う所があるので、聴き比べてもらえると嬉しいです。

自作ファルセータでも、他人が作ったものでも、こうやって、その時その時の、自分の感性や技巧に合わせてアレンジしていくのは、フラメンコギターの醍醐味の一つだと思います。

コメント