今回のYouTubeファルセータ動画は、約13か月ぶりにファルーカを弾きます。
ファルーカ形式解説
前回ファルーカを弾いたのは2019年の5月末で、エル・ボラ(Agustin Carbonell “Bola”)のファルセータでした。
今回は、この曲の続きの部分も弾いています。
今回は長めの演奏
いつもファルセータ動画を録るときはファルセータ2つから3つくらい、1分から2分程度の長さで作っていますが、今回はファルセータ数は4つ(実質は5つかな)、2分46秒というファルセータ動画としては過去最長の演奏になりました。
というのも、1つ目のファルセータ以外の部分は一繋がりの展開で切り離せない感じなので、折角ならイントロをつけて単体のギターソロ曲に近い感じで演奏することにしました。
では、各ファルセータの個別解説をいたします。
1つ目のファルセータ【チキ・ヒメネス?】
1つ目のファルセータは2000年頃と思いますが、沖仁さんの家に遊びに行ったときに、一緒にギターを練習して、その際にファルセータ交換で覚えたものです。
確かチキ・ヒメネス(Chiqui Jimenez、マドリードのギタリスト)の作と言っていたと思います。
今回はイントロに使用したので、雰囲気重視でややリズムを崩して演奏しています。
冒頭のAdim7(ハーフディミニッシュかも)がカッコいいですよね。
この最初のコードのインパクトが凄く気に入っていて、よく弾いているファルセータですが、弾いているうちにどんどん変わってきてオリジナルと全然違うことになってると思います。
オリジナル版は録音もしてなかったので、どんなのだったかおぼえて無いんですよね……。
2つ目のファルセータ【エル・ボラ】
2つ目、3つ目、4つ目のファルセータはエル・ボラの作で、昨年弾いたファルーカ(エル・ボラの1stアルバムに収録されている「Galicia」という曲)の後半部分です。
一応、3つのファルセータという扱いにしましたが、一連の流れになっていて切り離せないので、このセクションは全部通して演奏しました。
そのセクション冒頭で弾いている2つ目のファルセータとした部分は、前半はアルペジオとピカード、後半はトレモロと、ギターソロとしては王道の展開です。
コード進行も王道的なものですが、トレモロの中でB♭のコードが出てきます。
これは、いわゆるナポリコードと言われていて、Ⅴ7→Ⅰm(この場合はE7→Am)を♭ⅡM7→Ⅰm(この場合はB♭M7→Am)で置き換えるものです。
ちなみに、ここのB♭コードはB♭7という解釈をするなら、E7の裏コードになりますが、ナポリコードは裏コードのバリエーションみたいなものだと思うし、コード機能的にはそれほど変わりません。
3つ目のファルセータ【エル・ボラ】
3つ目のファルセータは、FM7から入って、6拍ずつ進行している部分で、ファルセータというよりブリッジ(繋ぎ)ですね。
こういう4拍子に対する6拍進行はプログレに出てきそうな手法ですが、曲全体の流れの中で強いアクセントになっていて、エル・ボラの並々ならぬセンスを感じます。
4つ目のファルセータ【エル・ボラ】
4つ目のファルセータは、冒頭でピカードが入って、そこから倍テンポのタンゴのとり方になっています。
ここのタンゴ取りの3連フレーズはサビーカスを彷彿とさせますよね。
エル・ボラはモダンスタイルの印象が強いですが、こういう古風なフレーズを好む部分もあって、右手のタッチもゴリゴリしているので、全体としてフラメンコ度が高く聴こえますよね。
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