ブレリアPart4(Buleria4)【YouTubeファルセータ集15】

ブレリアPart4
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YouTubeファルセータの第15弾は変則チューニングのブレリアを弾きました。

ブレリア形式解説

ブレリア(Buleria)【フラメンコ音楽論12】
フラメンコ音楽論第12回はブレリアです。ブレリアは12拍子系の中でも最も自由度が高く理論化は至難ですが、コンパス(リズム)やコードワークの解析に挑戦しました。

今回演奏しているファルセータは、スペインでパコ・クルス(Paco Cruz)に教わったもので、6弦と1弦をD音に下げる変則チューニングのものです。

一般的には「ダブルドロップD」と言われるチューニングですね。

ダブルドロップDのブレリア

6弦だけD音に下げる「ドロップDチューニング」はクランジなどのロック系でよく使われますが、今回演奏しているものは、さらに1弦もDに下げる「ダブルドロップDチューニング」にして、Dスパニッシュ調で演奏しているのがミソです。

パコ・クルスにはブレリアだけで20個くらいファルセータを教わりましたが、その半数くらいが変則チューニングを使ったものでした。

他には2弦をAに下げてポルメディオの運指でやるものがあって、自動でsus4や9thになる感じです。

ちなみに、同時期にレッスンを受けていたエル・ボラ(Agustin Carbonell “Bola”)は6弦をC♯に下げるチューニングを多用していました。ちなみに、ロンデーニャ(ラモン・モントージャの独奏スタイル)と違って3弦はGのままです。

このダブルドロップDチューニングのものは、多分パコ・クルスがギターソロ曲用に作り溜めていたものと思いますが、6つか7つのファルセータをまとめて教わったもののうち2つを今回演奏しました。

他にもこのチューニングで凄く良いファルセータがあるので、また演奏動画にするかも知れません。

今回のファルセータはDチューニングが凄く効いている

今回の変則チューニングは、Dスパニュシュ調での演奏になりますが、演奏動画では2フレットにカポタストを付けているので、実音はEスパニュシュ調になります。

でも、一般的なポルアリーバ(Eスパニッシュ調)とかなり響きが違いますよね。

このチューニングの特長は普通のレギュラーチューニングのコードフォームが部分的に使えるんですが、1弦と6弦が1音低い関係で、トライアドや7th、m7のコードフォームで弾くと、9th、11th、13thといった音が自動で付加される感じになります。

1弦2弦の半音ぶつかりも簡単に作れたり。

そんな特長があるチューニングですが、実際に弾いてみると、独特の雰囲気です。

言葉で表現しずらいですが、このダブルD調弦のスパニッシュ調は、重く、毒々しい感じがたまらんですね。

ゆっくりめのテンポのほうがそういう雰囲気が良く出るので、少しゆったりしたテンポで演奏しています。

変則チューニングは伴奏には不向き

ちなみに、このダブルドロップDチューニングですが、伴奏には使いづらいです。

他の変則チューニングも同様ですが、コードフォームが全部変わってくるので、歌や踊りへの咄嗟の対応がしにくいし、ギターが2人いる場合は、もう1人のギタリストがこちらの左手を見てコードを判断できないからです。

では、今回演奏した2つファルセータを個別に解説します。

1つ目のファルセータ

1つ目のファルセータは、いくつか同時に習ったダブルドロップDチューニングのファルセータの中でもメインテーマ的なものです。

変則Dスパニュシュ調の特性を最大限生かしてる感じで、重いインパクトあるファルセータですよね。

パコ・クルスはこれを弾く前後とか合間にタパを入れていたんですが、それが少し変わったアクセントで、2、5、8、11拍目にアクセントをつけていました。

要するに3拍目が強い3拍子で、3連のタンギージョにも聴こえるノリでしたが、そのリズムをベースに作られたのかな?と思います。

そんな作りなので、3拍で進行している所が多いですが、ちょっと難しい位置にシンコペーションがあったりで、パコ・クルスのリズムの癖が良く出てると思います。

最後の締めのトリルは最初は裏から入ってるのかな?と思ったんですが、ここは表なんですよね。

弾き比べると、確かに表のほうが重さがあってかっこいいです。

2つ目のファルセータ

フラメンコギター独特の低音アルペジオ主体のファルセータです。

この弾きかたはフラメンコ以外のジャンルだとほとんど出てこないと思いますが、パコ・デ・ルシア(Paco de Lucia)がやっていたのを、ビセンテ・アミーゴ(Vicente Amigo)がさらにアポヤンドの強いタッチで演奏して広まったように思います。エル・ボラも多用していました。

この低音アルペジオはなるべくアポヤンドのタッチで弾きたいところですが、フレーズやコンディションによってはきつい場合もあります。

自分もアポヤンドとアルライレが混じったりしますが、ピカード同様ノイズが出ないようにコントロールするのが難しいテクニックです。

これは親指も同時に弾くパターンで、左手の修飾音も入るのでかなり難しい部類です。

基本amiの順番で弾いていきますが、シンコペーションが入るときは、指の順番を組み換えたほうが弾きやすい場合もあります。

フラメンコギターのアルペジオ奏法に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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