前回に続きエル・ボラ(Agustin Carbonell “bola”)のブレリアで、今回は長めのファルセータ2つです。
ブレリア(Buleria)形式解説
1つ目のファルセータはエル・ボラの1stアルバム『Bola(Carmen)』に、2つ目は2ndアルバム『Vuelo Flamenco』とホルヘ・パルド(Jorge Pardo)の『Veloz hacia su sino』に収録されています。
今回のは両方ともエル・ボラに教わった中でも屈指の名ファルセータと思いますが、リズムもテクニックも難しくて、それなりに弾けるようになるのに、教わってから数年を要しています。
エル・ボラの思い出
今回の動画、ブレリアPart2は、前回のブレリアPart1と対になるもので、全部で5つのファルセータを弾いていますが、これら全てが、ボラやホルヘ・パルドのCDを聴いてずっと憧れていたものです。
ブレリアPart1
自分がエル・ボラのレッスンに通ってる期間はちょうどセカンドアルバム『Vuelo Flamenco』の発売の時期でした。
ボラはPRのために毎日のようにライブをやっていましたが、その状況でよく半年間もレッスンに応じてくれたな、と今になって思います。
多忙な合間をを縫ってのレッスンだったので、ライブ会場の楽屋とか、カンデーラというバルの厨房で夜12時くらいからレッスンをやったこともあって、これらファルセータを弾くと、そういうことを懐かしく思い出します。
1つ目のファルセータ【エル・ボラ】
出だしのB♭M7の使い方が綺麗かつ、ぶっとんでいて好きです。
前回のブレリアPart1でも書きましたが、このファルセータも9拍目の裏から入っています。
そのあと、Aマイナーペンタトニック→Gマイナーペンタトニックみたいな動きになります。
B♭M7やA♭M7も絡むのでブルースやロックのペンタトニックとフレージングが違いますが、フラメンコの語彙とも違って、面白い効果をあげています。
そのまま、長い親指フレーズに突入しますが、ここはスラーでのリズムキープが結構難しいです。
その次のB♭の3連符と8分音符の裏を組み合わせたフレーズが独特でカッコイイですが、ボラはこういう「えー?リズムどうなっとるの?」的なフレーズ多いです。
2つ目のファルセータ【エル・ボラ】
2つ目のファルセータはアルペジオからです。
こういうアルペジオパターンはブレリアでは良く出てきますが、ベース音を入れながらシンコペーションさせていくので綺麗に弾くの難しいてす。
ここも前回ブレリアPart1の記事で触れたように、なるべくアポヤンド(に近いタッチ)で弾きます。
フラメンコギターのアルペジオ奏法はこちらの記事で詳しく解説しています。
中盤のC7→B♭7のシーケンスは薬指・小指の短3度ストレッチがきついです。
そして最後のほうのクロマチックっぽいスケールは、エル・ボラがホルヘパルドが吹くサックスのフレーズをイメージして作ったらしくて、ホルヘのCDではユニゾンしてますが、踏み外したりリズム裏返ったら終わり系のやつですね……。
コメント