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フラメンコ音楽論02~現場で使われるフラメンコの専門用語

前回はフラメンコの歴史を一通り解説しましたが

発生学的にもフラメンコの特殊性は理解していただけたかと思います。

今回からは実践的なことを中心にやっていきたいですが、

一つ大きな障壁となっているものがあります。

それは、この世界独特の専門用語、慣用句が物凄く多いということです。

これがフラメンコの音楽や伴奏を勉強するのにも

敷居を高くしてしまっているように思います。
そういうわけで、用語解説もしてみたいと思います。

しかし、数が非常に多いです。
インターネット上には用語解説サイトも沢山あるので

特に踊り関連用語などはそういうものも見てもらうとして、

・予備知識として無いとまずいもの

・音楽・伴奏関連など当企画的に重要なもの

・他のサイトでは出て来なそうなもの

に絞っていきます。

なお、これは現時点の自分の認識ですので

もしかしたら間違っていたり正確でないものもあるかもしれません。

コメントなどでご指摘いただければ、調べて修正していこうと思います。

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総合フラメンコ用語

カンテ~フラメンコの歌。歌い手はカンタオール(男)カンタオーラ(女)

トーケ~フラメンコのギターのこと。ギタリストはトカオール(男)トカオーラ(女)

バイレ~フラメンコの踊りのこと。踊り手はバイラオール(男)バイラオーラ(女)

ヒターノ~スペインに定住したジプシーのこと。

パジョ~ジプシーではない一般のスペイン人。パコ・デ・ルシアをはじめパジョでも優れたアーティストは多数存在する

パルマ~手拍子による伴奏。複数形はパルマス。高い音で叩くのを『セコ』、手を少し丸めて低い音で叩くのを『バホ』という

カホン~南米由来の木の箱を叩く打楽器。パコデルシアの共演者であったルベン・ダンタスが1980年代にフラメンコに導入して以降、フラメンコとの相性の良さから主要な伴奏用打楽器として定着。

ハレオ~掛け声、お囃子。実はこれも伴奏の一部。

タブラオ~フラメンコショーを見せる飲食店。タブラオ・スタイルのフラメンコは初見での伴奏が基本になるため、ほとんどリハーサルをしなくても成立するような作りにしてあるのが普通。

テアトロ~劇場。テアトロ・フラメンコというと、劇場公演を前提にしたスタイル。タブラオ・フラメンコとの対比でよく使われるが、こちらは凝った仕掛けを作ったり、綿密にリハーサルをするのが普通。

プーロ~純粋な、原型に近いスタイルのフラメンコ。

モデルノ~新しいモダンスタイルのフラメンコ。プーロ、モデルノという対比で使われる。

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伴奏関連用語

エンサージョ~リハーサル、練習のこと。

 

コンパス~フラメンコのリズム。リズム単位として1コンパ(単数形)、2コンパスというふうにも使われる。

コンパスから外れてしまうことは

リズムアンサンブルが複雑なフラメンコでは起こりがちな事故なんですが

理想論としては『あってはならないこと』です。

フラメンコの練習はいかにこれをゼロに近づけるか、というところからの話になります。

メディオ・コンパ~1コンパの半分のサイズ。フラメンコでは正規コンパスを守るのが原則ですが、半分サイズのリズムはメディオコンパとして許容されます。場合によってはメディオ・コンパが基本になって、偶数回やれば正規コンパスになる、という捉え方をしたほうがいい場合もあります。

コントラ・ティエンポ~裏拍。フラメンコのリズム表現では裏拍でうまく繋いでいくのがポイントで、パルマでもサパテアードでもギターでも基本的なスキルになる。ちなみに表拍、正拍はア・ティエンポ。

レトラ~カンテの歌詞。また、踊りの中でメインの歌詞が入った『本歌』が入る部分。

ファルセータ~ギターで弾く間奏。ギターで作るフラメンコ音楽はファルセータ単位で作られることが多い。長さはまちまちですが、即興的に入れやすいよう、コンパクトなつくりになっているものが多く、2コンパス~8コンパス単位くらいが主流。

サパテアード~踊りの、足で踏み鳴らす音。また、踊りの足音がメインになった部分のこと(=エスコビージャと同じ)

エスコビージャ~踊りの足音がメインになった部分のこと。サパテアードより狭い意味。

サリーダ~イントロ。カンテの場合は歌詞が入ってない『アーイー』とかいう前フリの部分。踊りの場合、イントロのファルセータからカンテ・サリーダ、最初のジャマーダに入るあたりまでの曲頭のセクションをさす。

ジャマーダ~踊りの場合、終止形とそれに入るための合図、歌を呼ぶための合図、テンポチェンジを伴う展開ポイントの合図。

踊り伴奏では最重要事項で、歌もギターも、伴奏者はこれを判別するのが重要な仕事。

歌伴奏の場合は、一段落つけるときとか、締めくくりなどとして用いられることが多い。

レマーテ~一言で表現すると『キメ』。結構曖昧に使われている用語です。

例えば全員でユニゾンするような、聴かせどころを作ってレマーテと呼んだり、

歌の途中で歌が一端切れて踊りとギターで何かやるようなところ(=コンテスタシオン)をさしたり、

テンポチェンジや終止を伴わない弱めのジャマーダをさしたり。

ジャマーダはおおよその定型がありますが、不定形なものをレマーテと呼んだり。

コンテスタシオン~主に歌の途中で小休止する『中締め』。レマーテと曖昧ですが、こちらは歌の途中にはいるものに限定される感じです。

マルカール~英語直訳でマークするの意味。

日本語で説明しにくいですが、実際の運用は『ベースになるリズムを出しながら繋ぐ部分』ですかね。

歌が頑張ってるときは踊りはマルカールでサポートに回ります。

また、歌も入ってなくて、踊りも足とかやっていない、

『繋ぎ』『待ち』の部分で弾くギターの通常パターンをマルカールって言ったりもします。

ヌメロ~曲目。踊りの場合、一定の展開と長さがある『正式』な曲目をさすことが多い。例=ソレアとかタラントとかは正式なヌメロ。セビジャーナスやフィエスタ形式のブレリアやタンゴなどはヌメロとは言わないことが多い。

パロ~曲種。形式名。ヌメロとまぎわらしいてすが、こちらは歌のことを指しています。ヌメロは踊りを対象に使われることが多いです。

カンビオ~変化。チェンジ。なにがしかの変化や切り替えをさす。テンポの切り替え、伴奏パターンの切り替えなど。

スビーダ~踊りの中でテンポを上げていく部分。踊り手がサパテアードで先導する。

マチョ~曲の最後のテンポが上がった部分。とくにシギリージャのその部分は他の表現が無いのでマチョという用語を使う。

エストリビージョ~締めくくり。踊りの最後に歌う歌をさしたり、歌の後半部分の盛り上がる部分をさしたりします。

コレティージョ~エストリビージョとほぼ同義。どちらかというとコレティージョのほうが歌の後半のリフレインに限定して使われるイメージです。

シレンシオ~踊りのアレグリアス形式の途中で入るゆっくりしたパート。通常、6コンパスか10コンパス。

カスティジャノ~同じくアレグリアス形式でシレンシオの後に入る短い歌。無い場合もある

タパ(タパーダ)~ギターの左手で音をミュート状態にして打楽器化する奏法。また、その奏法で演奏されるセクション。踊りの伴奏では不可欠。

『抜ける』~日本独自のフラメンコ用語。ジャマーダやレマーテの後、静止する場合と静止せずに続く場合があるんですが、続く場合、『抜ける』と表現することがあります。抜けるときは踊りが独特のアクションをするので、慣れると止まるのか抜けるのかわかるようになります。

『1コンパスふる』~ジャマーダで止まったりして仕切りなおすとき、ギターで1コンパス前フリを入れてから歌やファルセータに行く場合、1コンパスふる、と表現します。

ディレクト~ダイレクトに、ということ。1コンパスふる場合と逆に、ジャマーダなどの後に間を開けずに歌やファルセータに行くこと。

『ハケる』『ハケ歌』~踊りの最後に自分の席や舞台袖に引っ込んでいく終わり方。ハケ歌はハケるときに歌われる歌。

板付き~踊りの最後、ハケないで舞台上で締めくくること。

リブレ~自由リズム形式のカンテ。カンテ形式だと主にファンダンゴ系のレパートリーをさすが、踊りや歌のイントロやエンディングなどに自由リズム形式のパートが使われることも多い。

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ギター関連用語

セヒージャ~カポタスト。フラメンコでは歌優先の考えがあり、歌い手の声の高さやその時のコンディションでカポタストを付け替えてキーを変えます。実はこれがギター以外の楽器の最大の参入障壁になってたりします。

ピカード~フラメンコ式の音階奏法。鋭い音の速弾き。ややブリッジ寄りでアポヤンドで弾く。

ラスゲアード~伴奏のために発展したフラメンコギター独特のリズム奏法。いろいろ種類がある。

アルサプア~フラメンコギター独特の親指のストロークを使った奏法。

トレモロ~クラシックから取り入れられた、同一弦連打で伴奏とロングトーンのメロディーを同時に表現できる奏法

ゴルペ~指の腹や爪でゴルペ板を叩いて打撃音を出す奏法。ラスゲアードや親指と組み合わされることが多い。フラメンコリズムを表現するキモになる奏法。また、踊りの用語で足の打ち方の一つ。

ゴルペ板~フラメンコギターに貼ってあるプラスチック板。これがないとソッコーでボロボロになります。

ポル・メディオ~AとBbコードを中心に演奏されるキーのこと。実音はカポタストでかわるので注意。メディオと略すことも。

ポル・アリーバ~EとFコードを中心に演奏されるキー。実音はカポタストで変化。アリーバと略すことも。

ポル・タラント~F#とGを中心に演奏されるキー。『タラント』『タランタ』で使われ、解放弦がらみのテンションノートが特徴。他の形式をこのキーで演奏するとき、ポル・タラントで、と言う場合があります。

ざっとあげてみましたが、
他にもまだまだありそうなので、

この項目は思い出したときに加筆していきます。

次回あたりから徐々に本編に入っていきたいと思います。

 

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関連リンク

フラメンコ音楽論01~フラメンコの歴史と成り立ち

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