YouTube動画ファルセータ集第11弾は自作のタンギージョで、2つのファルセータを弾いています。
これらは、2005年ごろに自分のグループ『Galeria Rosada』の曲『魚は水に、月は空に』のイントロと間奏用に作ったものです。
タンギージョという形式について
タンギージョは踊りの場合、初級向けのレパートリーとして『タンギージョ・デ・カディス』がありますが、今回やってるのはそれとは別モノです。
タンギージョ・デ・カディスはタンゴを早回ししたようなコンパスが基本になりますが、そこからリズムを粘らせて3連符に近いようなリズム型で演奏することがあります。
今回やっているようなモダンなタンギージョの多くは、そうした3連符のタンギージョをさらに発展させて6/8拍子のようになったり、さらに拡大解釈してブレリアに近いようなノリも入ってきます。
ですが、あくまで2拍子ですので3連符の2拍子、もしくは6/8拍子と解釈すべきものです。
タンギージョ・モデルノに関しては『フラメンコ音楽論』にて詳細に解説していますので参照してください。

今回演奏のファルセータ解説
タンギージョもいろいろなモノがありますが、今回やっているのは完全な6/8拍子でリズムを粘らせたりはしないタイプです。
とくに最初のアルペジオなどは、音だけ聴くとブレリアに聴こえるかもしれませんね。
でも、2拍子で感じて弾いています。
リズムトラックはいいものが無かったので『Galeria Rosada』のMix前の音源から引っ張ってきました。
『Galeria Rosada』の音源用に作ったネタも、そのままフラメンコのファルセータに転用できるものが相当数あるので、それらも自作ファルセータとしてアレンジしてご紹介していこうかと思います。
1つ目のファルセータ
1つ目のファルセータはコードも少し凝っていてモダンな展開です。
イントロのアルペジオは半音ぶつかりコードを駆使しているのでコードのおさえかたが少し特殊です。
ピカードが入ってからの中盤以降は平行移動転調を多用してます。
こういう平行移動転調はプログレなどで凄く良く出てきますが、フラメンコでも結構使います。
2つ目のファルセータ
2つ目はコード的にはシンプルですが、間奏として原曲のサビと大サビを盛り上げつつ繋ぐために作りました。
テクニック的にはベース音を出しながら綺麗なアポヤンドのタッチで弾くのが難しいポイントです。
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