YouTubeファルセータ演奏動画シリーズ第14弾はグアヒーラです。
今回2つのファルセータを演奏していますが、1つ目はセラニートの有名ファルセータのトレモロアレンジ、1つ目は詳細不明ですが、とても気に入っていて長年弾いているものです。
グアヒーラ形式について
グアヒーラはブレリアやアレグリアスに似たコンパスですが、3.3.2.2.2型の変則5拍子です。
12拍子でも数えられるので、そうするとブレリアの一部パターンと同じコンパスになります。詳しくは下の形式解説をどうぞ。
グアヒーラ形式解説
では、今回演奏しているファルセータを個別に解説していきます。
1つ目のファルセータ【V.M.セラニート】
たまには古風なものを、ということで、ビクトル・モンヘ・セラニート(Victor Monge Serranito)のファルセータです。
セラニートは1970年代から1980年代頃はパコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカルとともにフラメンコギター界のトップを張っていた人です。
驚異的なテクニックの持ち主で、imaの3指を駆使した超速音階がトレードマークでした。
このファルセータ、元ネタは結構有名なものと思いますが、踊り伴奏用のテンポにアレンジしています。
前半部分はトレモロを使ってアレンジ。
2つ目のコード、E7代理のディミニッシュは結構昔から使われてますよね。コード機能としてはドミナントですが、構成音的にサブドミナントマイナーに近い働きをしてると思います。
最後のほうの締めくくりフレーズはDm6→A6→E7→Aという動きで、こちらはもろにサブドミナントマイナーですね。ここはセラニート式にima3指を使ってアポヤンドの修飾をいれています。
グアヒーラって、昔からこういう「コードの中の1音だけマイナー」みたいな音使いが多かったように思います。
タンギージョ・デ・カディス、タンゴ・デ・マラガ、ファルーカ等は、メロディーラインごとハッキリと同主調にいきますが、そういうものより微妙な変化ですね。
2つ目のファルセータ【作者不明】
2つ目のファルセータは詳細不明です。
元ネタは自分の記憶によると、2000年頃(多分)ギタリストの高津ゆうじさんと仕事をした時、お互いの手持ちファルセータを出しあって合わせたんですが、その時におぼえたものです。
ただでさえウロ覚えのものを、色々勝手にアレンジを加えて弾いているので、元ネタとは全く異なっていると思います。
でも、このファルセータ凄く好きなのでよく弾くんですよね。
右手のテクニックはピカード、アルペジオ、トレモロなど結構バラエティーをつけてます。
コードボイシングに関しては、原版は違ったと思いますが、2コンパス目、4コンパス目頭のD69(♯11)がポイントですね。
そして最後はやはりDm7コードが出て来てサブドミナントマイナーに行ってます。グアヒーラの雰囲気に良く合うんですよねー。
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